ワシントンの桜と東京の桜、こんなにも違っただろうか

ワシントンの桜と東京の桜、こんなにも違っただろうか

 23日(現地時間)、米ワシントンDCの桜の名所ナショナルモールと人工湖「タイダルベイスン」、ジェファーソン記念館周辺の通りと橋は完全に閉鎖された。

 これは、先週末に桜が満開になり、観光客が殺到したため、同市のミューリエル・バウザー市長が前日に現地警察と州の防衛軍と協力し、花見の人波を遮断するための行政命令を下したからだ。

 ワシントンの桜の名所は、市内に入って国会議事堂へと続く通りにある。通常はこの通りを封鎖すれば激しい交通渋滞を誘発するため、普段では想像すらできないことだが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために特段の措置を取ったのだ。

 ワシントン市当局はこの日、ジェファーソン記念館と人工湖「タイダルベイスン」に続く全ての道に警察車両でバリケードを築いて道路を封鎖し、歩道にもまるで事件現場への接近を遮断するかのように「注意(caution)」と書かれた黄色いテープを設置した。韓国の警察でいえば「触手禁止」のテープを巻き付けるのと同じだ。要するに、車も人も、とにかく誰も桜の周辺には近づけないということだ。

 ナショナルモール近くにあったパトカーの中では、1人の警官が無心に前方を注視する間、ほかの2人は疲れたように後部座席で目を閉じていた。記者が近寄って「いつまで閉鎖するのか」と尋ねると、警官は「私も分からない。とにかく、今は花見をしてはいけない。帰ってくれ」と話した。

 この日、ナショナルモールの周辺には人がほとんどいなかった。桜の区域を遮断した上、雨も降っていたため寂寞感すら漂っていた。見事に咲いた桜がむしろ哀れに感じられた。この日満開になった桜を楽しんでいるのは自由に飛び回るスズメたちだけだった。

 警察が設置した遮断幕から離れている桜の木の下で出会った30代のラサさん(女性)とジェイソンさん(男性)は「桜の写真を撮りに来たのに残念だ」としながらも「それでも警察の措置がひどいとは思わない。いずれにせよ、しなければならないこと」と話した。

 この他にも、米国全域で春のお出かけを楽しむ客たちとの戦争が繰り広げられた。CNN放送はこの日、カリフォルニア州ロサンゼルス市とサンタモニカ、ロングビーチ、マリブ地域の行政当局が先週末、春の外出を楽しむ人々が海辺に集まったため海辺の駐車場の門を閉鎖し、公園や散策路、スポーツおよびレジャー施設を閉鎖する追加措置を講じたと報じた。フロリダ州もマイアミビーチなどの有名ビーチを閉鎖した。

 一方、日本では桜が満開になって桜の名所となる公園に市民が集まったが、何の措置も取られなかった。全世界的に拡大する「社会的距離」を置く措置とは正反対の行動だ。

 日本メディアなどによると、先週末の21-22日には新型コロナウイルスの感染拡大の懸念にもかかわらず、東京の上野公園など桜の名所には市民たちが大勢押し寄せた。シートを広げて密集した状態で花見をし、弁当も食べていた。

 日本国内でも「こんな状況で花見だなんて信じられない」という一部の批判もあるが、日本人たちは大部分が意に介さないという雰囲気だったと各メディアは伝えた。

ワシントン= 趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
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