救急患者はいったいどこへ行けと…

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各病院、新型コロナ陰性判定前は呼吸器疾患診療・入院拒否

 ソウル市恩平区の高齢者向け療養型病院に入院していた70代の女性Aさんは16日、突然呼吸困難に陥った。同病院の当直医はAさんを総合病院に搬送しようとしたが、近くの大学病院も大規模病院もAさんの受け入れを拒否した。Aさんが肺炎の治療を受けたことがあったからだ。当直医はAさんに透析治療を行い、Aさんの状態は安定した。Aさんの家族は「呼吸器疾患のある患者を(大型)病院は新型コロナウイルス問題で拒否した。適切な治療により安定した状態に戻ったので幸いだったものの、何の落ち度もないのに犠牲になるところだった」と言った。先日死亡した大邱市内の17歳の高校生も肺炎の症状が出て病院に行ったが、陰性判定が出るまで入院できず、治療が遅れた。梨花女子大学木洞病院でも16日、腹水がたまって来院した慶尚北道出身の80代の患者に対し、隔離病棟に空きベッドがないという理由で入院拒否した。

 新型コロナウイルス感染拡大で、各病院は陰性判定が出るまで、呼吸器疾患や新型コロナウイルス感染症の可能性がある救急患者の診療・入院を拒否している。防疫当局の指針上、院内感染が発生した場合、少なくとも2週間以上病院が閉鎖されるからだ。病院閉鎖は中東呼吸器症候群(MERS)流行時の基準によるもので、新型コロナウイルス感染症にもそのまま適用されている。

 病院も対応に苦慮している。大邱・慶尚北道地域に行ったことのある患者を隔離病棟だけで受け入れることにした梨花女子大学木洞病院側は「院内感染を防がなければならないし、病院が閉鎖されれば、ほかの入院患者にも被害が及ぶ。隔離病棟に空きベッドがない時に救急患者が来たら、病院の責任の下に別の病院に移送するしかない」と語った。

 鄭銀敬(チョン・ウンギョン)中央防疫対策本部長(疾病管理本部長)は「検査結果が出るまでは、医療関係者としては区別が難しいという限界がある。救急患者・重症患者もきちんと診療を受けられるよう、医療システムをより迅速に整備したい」と述べた。

チェ・ウォングク記者
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