破綻企業処理だけでも大変なのに…韓国産業銀「コロナで背負わされた重荷」

 3月末には韓国屈指の大企業、斗山重工業が産業銀に支援を求めた。産業銀は輸出入銀行と共に1兆ウォンの資金支援を行い、斗山重工業に自主再建計画の提出を求めている。それが提出されれば、産業銀は適正性を判断し、自発的協約(債権団と企業の協議を通じた自発的構造調整)やワークアウトへの移行などを決定することになる。このほか、コロナ事態で直撃を受けた格安航空会社(LCC)など航空各社に対しても、産業銀は無担保融資などで資金支援を行っている。

 産業銀がどこまで持ちこたえられるかは未知数だ。昨年末現在で産業銀の不良債権比率は2.67%で、韓国の全ての銀行で最も高い。市中銀行(0.41%)だけでなく、輸出入銀行(1.79%)やIBK企業銀行(1.28%)など他の国策銀行を上回っている。

■政府は無責任、構造調整原則も揺らぐ

 最近産業銀を当惑させたのは双竜自動車だ。双竜自動車の大株主マヒンドラが当初約束していた2300億ウォンの投資計画を撤回したからだ。こうした状況で産業銀が双竜自を支援すれば、大株主の犠牲を前提としたこれまでの構造調整原則を自ら破ることになる。ソウル大行政大学院のパク・サンイン教授は「不況長期化の可能性が高い現在、過去の造船産業のように終わりのない支援を続ければ、構造調整も進まず、産業も崩壊する」とした上で、「原則と基準を明確につくり、果敢に実行に移さなければならない」と述べた。

 金融業界からは「財務官僚はどこに行ってしまったのか」「政府は無責任だ」という不満が漏れる。政府が構造調整の陣頭指揮を取らず、ただ産業銀と輸出入銀など国策銀行の背中を押してばかりだからだ。また、政府の関係官庁間で意見調整がうまくいかないことも産業銀の足かせとなっている。

 国策銀行関係者は「過去には金融当局が構造調整の基準と原則を決め、スピーディーに処理を行ったためにスムーズだったが、今回は誰も責任を取ろうとしない」と話した。

ユン・ジンホ記者
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