父兄「お手並み拝見」…オンライン授業に震え上がる韓国の教師たち

■「どちらにせよ学校外教育の質には追い付けない」…公教育崩壊の恐れも

 一部の教師は「遠隔授業が教師の役割を講義能力だけに縮小して評価する材料となっている」と不満をぶつける。生徒たちの心の成長に関心を抱き、学習意欲を向上させるなどの多角的な役割が無視され、授業進行能力のみに焦点が当てられ比較されるのが問題だ、というのだ。ソウル市江南区のある高校教師は「生徒とコミュニケーションを取りながら教育を行うのが教師の役割だが、遠隔授業では講義の実力が明らかになるだけ」と話す。光州市の中学校教師は「同僚が『いくら努力してもEBSや学校外教育を専門とする企業にはかなわない』として事実上諦め状態」という。ソウル市九老区のある中学校教師も「EBSとは差別化された講義映像を撮るには膨大な時間と努力が必要だ」とし「遠隔授業で公教育は学校外教育には付いていけない」という。多くの教師が今はいったんEBSテレビを視聴することで授業の代わりとし、コロナウイルスが沈静化することでいち早く登校、授業が直接行われる日を心待ちにしているというのだ。

 教育界では、学校の授業に失望した父兄が子どもを塾に通わせ、学校外教育の市場がさらに拡大するのではないかと懸念する。中学3年の子どもを持つキムさん(44)は「息子の学校の遠隔授業を一緒に聞いているが、授業内容が改善されなければ塾に通わせるつもりだ」と話す。

 中央大学のイ・ソンホ教授は「遠隔授業を通じて講義の質と透明性を高めることができるという点で公教育にはプラスとなるが、教師が授業公開をためらい、課題だけを提出するようになればマイナスとなる恐れもある」とした上で「公教育が信頼を失い、崩壊の危機に追い込まれないよう教師たちが積極的に取り組む必要性がある」と述べた。

郭守根(クァク・スグン)記者

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