青瓦台の選挙介入事件に関与した捜査官、検察出頭直前に「鯨肉事件」を集中検索した後に自殺

当日のiPhone履歴を確認、青瓦台の論理に合わせようとした模様

再び検察に復帰した後も青瓦台の文書を保存し削除した痕跡も

 昨年の「青瓦台(韓国大統領府)による蔚山市長選挙介入事件」で取り調べを受けていた際、極端な選択をした元青瓦台民情秘書官の検察捜査官A氏が、検察への出頭が予定されていた12月1日、iPhoneで「蔚山鯨肉事件」に関する資料や記事をネットで集中的に検索していたことが24日までにわかった。

 白元宇(ペク・ウォンウ)元民情秘書官が運用していた「秘線監察班」所属だったA捜査官は、キム・ギヒョン元蔚山市長に対する下命捜査事件に深く関与したとして注目されていた人物だ。検察は、A捜査官が蔚山市長選挙5カ月前の2018年1月に蔚山に行ったことについて「下命捜査の状況を確認することが目的だったのでは」と疑っているが、これに対して青瓦台は「(A捜査官は)検察と警察の対立が激しかった『鯨肉事件』について意見聴取のために行った」と主張している。

 A捜査官が検察への出頭を前に「鯨肉事件」を集中的に検索したことについて、法曹界からは「青瓦台の論理に合わせるため事件の概要を把握したかったのでは」との見方が出ている。同年11月29日に盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長は国会で「(A捜査官らは)『鯨肉事件』をめぐる部処(省庁)間の不協和音を解消できないかと考えて(蔚山に)行った」と証言し、『鯨肉事件』についてはじめて言及した。

 本紙の取材を総合すると、検察は今年3月末にA捜査官のiPhoneのパスワードを解除し、その後のデジタル・フォレンジック(証拠分析)を通じてA捜査官が検察に出頭したその日に検索した内訳などを確認したという。検索を行った直後、A捜査官は「尹錫烈(ユン・ソクヨル)検察総長に申し訳ない」という趣旨のメモ書きを残して極端な選択を行った。

 検察はさらに、A捜査官がiPhoneに青瓦台の文書を保存してから削除した痕跡も発見したという。A捜査官は検察に復帰してから2カ月後の昨年4月、携帯電話をアイフォンに変更した。そのため検察はA捜査官が青瓦台から出た後も、「下命捜査」など過去の民情首席室での活動について「上のライン」とやり取りしていた可能性があるとにらんでいる。

 検察は3回にわたりフォレンジックを行ってから、先日警察にiPhoneを引き渡したという。警察は「A捜査官の死亡原因の究明が必要だ」として検察に携帯電話を返すよう求めていた。

 検察はイム・ジョンソク元青瓦台秘書室長、李震錫(イ・ジンソク)国政状況室長、李光哲(イ・グァンチョル)青瓦台民情秘書官らを追加で取り調べ、起訴するかどうかを決める方針だ。

イ・ミンソク記者
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