韓日の金銅仏像所有権訴訟が10カ月ぶりに再開、「結縁文」の真偽が争点

韓日の金銅仏像所有権訴訟が10カ月ぶりに再開、「結縁文」の真偽が争点

 韓国の文化財窃盗団が日本から韓国に持ち込んだ高麗時代の金銅観音菩薩坐像の所有権を巡る裁判が再開された。

 大田高裁民事1部は28日午前、忠清南道瑞山市にある大韓仏教曹渓宗浮石寺が韓国政府を相手取り、有体動産である仏像の引き渡しを求めて起こした訴訟の控訴審を開いた。

 問題の仏像は韓国人窃盗犯が8年前の2012年10月、日本の長崎県対馬市にある観音寺から盗み、韓国に持ち出したものだ。浮石寺側は仏像内部から発見された「結縁文」(信徒による奉納目的が記された文)を証拠とし、「倭寇に略奪されたことが確実であり、我々に返還されるべきだ」と主張している。

 結縁文には「1330年ごろ、瑞州(現在の瑞山)にある寺刹(じさつ)に奉安するために仏像を製作した」と書かれている。

 2017年1月に一審は結縁文と歴史書などに基づき、仏像を原告に引き渡すよう求める原告勝訴の判決を言い渡した。日本は判決後、外交ルートを通じ、韓国政府に遺憾を表明して抗議し、返還を要求している。

 裁判は一審判決後、被告の国が控訴し、3年間続いている。日本からの文書による回答が遅れ、裁判日程が先送りされた。

 今回の控訴審は昨年6月25日に弁論準備手続きを完了してから10カ月ぶりに開かれた。その間、担当判事の構成が変わり、検察側の訴訟代理人(検事・公益法務官)も6人以上が交代した。

 控訴審では裁判所が仏像と結縁文の真偽を判断するため、今後の審理で原告と被告が推薦する専門家に出廷を求め、法理的な争点を整理する一方、仏像からサンプルを採取し、正確な製作時期を推定する計画だ。

 浮石寺の元住持(住職)の僧侶ウォンウ氏は「裁判が始まって5年が経過したが、裁判所が速やかに判決を下す意思を示したものと受け止めている。現在大田国立文化財研究所にある仏像は酸化防止処理がなされておらず、さびた仏像を保護するためにも速やかに判決が確定することを望む」と述べた。

 次回の審理は6月9日に開かれる。

チョン・ミンハ記者
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