海外進出の韓国企業「高賃金がネック、Uターンできない」

■文大統領「割高な人件費より安心できる投資先が好まれる」…企業「人件費が問題」

 文大統領は就任3周年の特別演説で、「世界は今、安い人件費よりも革新能力や安心できる投資先を好み始めた。我々には絶好の機会だ」と述べた。しかし、企業経営者の考え方は異なる。20年余りにわたり中国で事業を営み、2018年に韓国にUターンした経営者は「中国と比較すれば、韓国は労働時間が短いのに、人件費は5倍も高い」「Uターン企業には法人税免除、雇用創出奨励金支援などの優遇を行っているが、一般企業を対象とする支援と重複で適用されず、Uターン企業のための支援策を体感しにくいのは事実だ」と話した。同経営者は「中国と比べ、韓国は予測可能な環境だというメリットがあることはあるが、海外に進出している企業経営者は故国に戻った場合の負担しきれない賃金、過度の規制などを懸念している」と続けた。

 韓国は企業経営が難しい環境にあるとの認識はこの経営者だけではない。韓国経済研究院が昨年11月、海外に事業所を持つ企業150社を対象にアンケート調査を実施した結果、回答企業の96%は「Uターンの計画はない」と答えた。Uターンを考えない理由としては、「海外市場の拡大が必要」(77.1%)との回答が最多だった。それを除けば、Uターンを阻む理由は全て韓国国内の企業環境のせいだった。うち最も多かったのは、高賃金が負担だとの回答だった。

 実際に韓国は2013年12月にUターン法が施行されて以降、韓国に回帰した企業は毎年20社に満たない。昨年のUターン企業は16社だった。米企業のUターン促進機関「リショアリング・インセンティブ」によると、14-18年に年平均482社が本国である米国に回帰した。韓国経済研究院の秋光鎬(チュ・グァンホ)経済政策室長は「法人税引き下げ、労働改革などを通じ、生産コスト削減を支援し、企業のUターンを導かなければならない」と述べた。

ソク・ナムジュン記者

【グラフィック】 韓米の年度別Uターン企業数比較

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