【コラム】会計問題になぜ親日・反日を問うのか

 公益法人の寄付者らは、そのお金が、団体の掲げる『いいこと』に使われることを望んでいる。韓国公認会計士会のチェ・ジュンギョン会長の表現を借りるなら「高尚なコミットメント(献身)」だ。ペ・ウォンギ弘益大学経営学部教授は「従業員と株主が企業の利害関係人だとするなら、非営利団体はお金を出す寄付者が利害関係人。掲げる目的の通りお金を使ったかどうかを知らせる透明な会計は、寄付者や社会に対する義務」と語った。こうした流れから見れば、正義連の会計公示は、一言で表現すると「でたらめ」だ。金額・用途などがおかしい例は数えきれないほどある。例えば昨年の「寄付金品支出明細書」で、支出全体の62%、4億6900万ウォン(現在のレートで約4079万円。以下同じ)を占める一番最後の内訳はこうなっている。「支払先の名称:その他 受恵人数:9999人」。もし、どこかのスタートアップ企業がこんな書類を持って100万ウォン(約8万7000円)なりとも投資を受けに行ったら、追い払われるのがオチだ。

 米国では、内国歳入庁(IRS)が公益法人の会計公示を監視している。不正会計にはきつい罰金も科する。韓国は、公益法人の会計に「寛大」だ。きちんと責任を負う部処(省庁に相当)がない。国税庁で公示は担当しているが、法人ごとに主務部処が別にあり、そして会計公示の様式自体は企画財政部の所管だ。ある会計士は「韓国の市民団体は声が大きいので、公務員が覗いてみようとは思わない」と語った。政府に余力が不足しているのなら、外部監査制度でも活用すべきところだが、それすらもいい加減だ。米国では通常、公益法人の年間総収入が25万-50万ドル(約2676万-5351万円)を超える程度でも外部監査を受けなければならない(州によって差がある)。韓国では、50億ウォン(約4億3500万円)未満であれば免除される。昨年まで、公益法人の半数以上が外部監査を免除されていた。こういう死角地帯で、寄付者のお金は危機に陥る。

 正義連の会計問題を指摘すると、「親日保守勢力の謀略」だと問い詰める人がいる。しかし、会計のように非政治的な分野もまれだ。高麗大学経営学部のイ・ハンサン教授が語る通り「会計にはあちらもこちらもない」。早起きサッカークラブからサムスン電子に至るまで、原則は同じだ。正直かつ透明でなければならない。企業の不正会計は投資者の財布の中身をかすめ取る。公益財団のでたらめ会計は社会の善意を貪る。親日・反日を問う問題ではない。

キム・シンヨン経済部次長

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