【社説】雨風を口実に訓練しないという大韓民国の軍隊

 韓国軍が、19日に実施しようとしていた大規模な陸海空軍合同演習を来月に延期したという。少し前、北朝鮮が韓国海軍・空軍の防衛演習の報道に強く反発し、青瓦台(韓国大統領府)が軍の指揮部を呼んで叱責(しっせき)じみた会議を開いた後、「演習延期」決定が下った。韓国軍は「天気が悪いので」と説明した。だが2017年の北朝鮮によるICBM(大陸間弾道ミサイル)挑発の際には、悪天候にもかかわらず米国の戦略爆撃機が東海で実弾演習を行った。天気のせいにするのは言い訳ではないか。

 主な演習が次々と廃止・中断・縮小・延期されている。まず韓米3大合同演習のキーリゾルブ演習、フォールイーグル演習、乙支フリーダム・ガーディアン(UFG)演習が全てなくなった。43年を経て廃止されたUFGに代わり、韓国軍単独で「乙支太極演習」を行ったが、反撃の訓練は省かれた。北朝鮮が最も恐れていた韓米合同空軍演習「マックスサンダー」も中断された。韓国軍最大規模の対空射撃場は訓練を中止した。韓国陸軍唯一の実射程砲兵訓練場も事実上閉鎖された。西海のペンニョン島や延坪島に配備された多連装ロケットや戦車は、現地での射撃訓練を一度もできなかった。

 韓国軍は、次世代戦闘機F35の戦力化に続き高高度無人偵察機の配備も、韓国国民にきちんと知らせなかった。このごろは、韓国軍が大隊規模の訓練をやっただけでも、北は「南北関係を終わらせる」というような形で脅している。その一言だけで、韓国軍はありとあらゆる口実で訓練をうやむやにしようとする。敵にどやしつけられたら天気のせいにして訓練をしない軍隊、それが今の韓国の軍隊だ。

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