【朝鮮日報社説】総選挙後「4200万ウォン収賄犯」を釈放した裁判所、法治の危機だ

 ソウル東部地方裁判所は22日、釜山市の柳在洙(ユ・ジェス)前副市長に懲役1年6カ月、執行猶予3年を言い渡して釈放した。裁判長は柳氏が金融委員会局長と課長だった当時、業者などから受け取った4200万ウォン(現在のレートで約364万円、以下同じ)を賄賂と認めつつも「個人的な関係によって受け取った」として釈放したのだ。法理以前に常識的に考えて納得し難い判決だ。柳氏は業者から現金、伝貰(チョンセ)金、航空券、ゴルフクラブ、ゴルフテルの宿泊費を受け取り、オフィステルもただで使用した。金品を提供した業者とは以前から親しかったわけではなく、公務員だったときに知り合ったという。複数の人間から相次いで金品を受け取ったが、そのほとんどは柳氏の方から要求した。犯罪容疑を隠すため政権の実力者たちに救命のためのロビーまで行った。検察は「典型的な貪官汚吏」と指摘した。ところが裁判所は「(金品を)善意と考えた可能性もある」として刑を軽くした。公職者が業者などと親しくなり、金品を受け取った「癒着」を「親しい関係」と言い換えたのだ。今後は賄賂を受け取った公務員が「親しい関係だったから受け取った」と言えば全て罪に問われないのだろうか。

 柳氏は過去に文在寅(ムン・ジェイン)大統領を「兄貴」と呼ぶなど、政権の実力者たちと親しい。柳氏は青瓦台(韓国大統領府)特別監査チームによる調査からも逃れた。彼を救うため政権の実力者たちが総動員されたようなものだ。青瓦台は贈収賄疑惑が明るみに出た人物を逆に釜山市の経済副市長に栄転させた。常識外れのことが連日のように行われた。すると今度は裁判長まで柳氏の救命に乗り出したのだ。

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