【朝鮮日報社説】政府の統計操作は国を滅ぼす犯罪行為

 政策に失敗した実情を隠すため統計庁長を交代させ、所得統計基準とその方法まで変更したが、そのように操作された統計方式を使っても、今年1-3月期は所得分配の悪化が明確になった。勝手に変更した統計方式を過信したのか、大統領直属の所得主導成長特別委員長は前日「所得分配が改善されている」と大口をたたいた。結果は正反対だった。文在寅(ムン・ジェイン)政権による統計粉飾はもはや慢性的なものとなった。具体的な事例を列挙するだけでも疲れるほどだ。「世帯構成員のうち勤労者だけを抜き出せば所得は上がった」「最低賃金の肯定的な効果は90%」「従業員を雇う自営業者は増えた」などはいずれも統計のごく一部を自分たちの意向に合わせ、表現を変えたただのわい曲にすぎない。

 数十万に達する高齢者向けの税金を使ったアルバイトについても、雇用とは到底言いがたい仕事を雇用に含めた。コロナによってこれも中断を余儀なくされると、今度はこの税金アルバイトを「一時休職者」に分類し、「60歳以上就業者が57万人いる証拠」として堂々と発表した。「一時休職者」を就業者とみなす統計の盲点を悪用したのだ。非正規職が1年で87万人も増えたことについては、統計庁長が何の根拠もなく「質問方式が変わったため」と強弁した。2年半にわたりソウル市内のマンション取引価格が40%も上昇すると、全国の住宅平均価格を口実に「不動産価格は安定しつつある」と説明した。

 企業による粉飾決算は重大犯罪だ。政府による国政関連の統計粉飾は国民を欺くのはもちろん、政策の効果をわい曲し、国政を的外れな方向に導いてしまう。ギリシャは財政赤字を統計操作によって隠していたことがばれ、2011年に財政破綻の危機に追い込まれた。統計の粉飾は犯罪行為に他ならないのだ。

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