【朝鮮日報コラム】詐欺師全盛時代

 その上で、ハン・マンホ氏の別の監房仲間にインタビューした。その人物も、さまざまな詐欺・横領の前科があり、懲役20年以上の刑が確定して服役中の人物だ。その人物は「『詐欺師』と『薬物中毒』は検察に買収され、私は検察の取引に応じなかった」との趣旨の「良心宣言」をした。詐欺師たちの食い違う発言をめぐり、真実を突き止めなければならない状況だ。誣告(ぶこく)罪(虚偽告訴罪)とボイスフィッシングの前科がある『薬物中毒』の人物も、獄中インタビューで「実は、検察が虚偽の証言をさせた」と発言を覆した。検察は「全て、明らかに虚偽の主張」だと反発した。

 彼らの言う通り検察が虚偽の証言を強要していたとすれば、大きな問題だ。与党圏もこれを口実に、韓元首相の有罪判決をひっくり返そうとしている。しかし、だからといって韓元首相が金銭を受け取った事実がなくなるわけではない。韓元首相の無罪を主張するのであれば、詐欺の前科者たちの証言に反論するのではなく、ハン・マンホ氏が渡した1億ウォンの手形が韓元首相の兄弟が借りるマンションの保証金に使われた記録など、決定的な有罪の証拠に反論すべきだ。

 いつのころからか与党系メディアは、政権とぎこちない関係にある「尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察」を揺るがすために、刑務所取材に乗り出した感じだ。「情報提供者X」にインタビューしたあるメディアは、詐欺の被害者のことを考えずにXについて「正義感がある」とまで書いた。メディアが詐欺の前科者の派手な言葉をフィルターを通さずに伝えれば、執権勢力が同調する。詐欺師たちの全盛時代だ。

パク・ククヒ社会部記者

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 【朝鮮日報コラム】詐欺師全盛時代

right

あわせて読みたい