イーロン・マスクのスペースX、韓国軍の通信衛星打ち上げへ

 初の民間有人宇宙船の打ち上げに先月成功した米国の民間宇宙探査企業「スペースX」が、今年7月に韓国軍専用の通信衛星「アナシス(ANASIS)2号」を打ち上げるという外信の報道がなされた。アナシス2号が無事軌道に乗れば、韓国軍は初めて軍専用衛星を持つことになる。

 航空宇宙専門メディア「スペースフライト・ナウ」などが11日(現地時間)に伝えたところによると、スペースXは米国フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターでアナシス2号の打ち上げ準備に着手した。スペースXは先月30日、ここから民間有人宇宙船「クルー・ドラゴン」を成功裏に打ち上げた。

 今月8日にフランスのエアバス社の工場で完成し、ケネディ宇宙センターに運ばれたアナシス2号は、ファルコン9ロケットに積んで来月打ち上げの予定といわれる。スペースX関連のニュースを伝える「テスララティ(Teslarati)」は「アナシス2号の打ち上げ予定日は7月第2週と暫定的に決まった」と報じた。

 アナシス2号は高度およそ3万5400キロの赤道上空で自らの推進システムを用い、静止軌道に到達するものとみられる、と「スペースフライト・ナウ」は伝えた。

 アナシス2号は、韓国軍と米国ロッキード・マーチン社が結んだ「折衷交易(Offset)」によって製造された。折衷交易とは、武器の販売国が購入国に技術移転などの反対給付を提供するという方式の取引で、韓国軍は次世代戦闘機としてF35Aステルス戦闘機を選び、ロッキード・マーチンはこれに対し軍用通信衛星1基を提供することとした。その後、ロッキード・マーチンはエアバスと軍用通信衛星製造のための下請け契約を結んだ。エアバスは自社の通信衛星「ユーロスター(Eurostar)E3000」をベースにアナシス2号を製造したと伝えられている。なお、アナシス2号の性能の詳細および諸元は未公開となっている。

イ・オクチン記者
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