「文在寅の夢想で対北朝鮮政策が破たん」国内からも批判相次ぐ

学界・法曹界などビラ禁止に反発

 北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が問題視した北朝鮮向けビラ散布と関連して、統一部が2つの脱北者団体について設立取り消し手続きに着手、警察に捜査依頼までしていたことが明らかになり、学界・法曹界・政界など各界から反発が相次いでいる。

 「社会正義を望む全国教授会」は11日に声明を出し、「政府の言動は北朝鮮に対する過度な屈従と顔色うかがい、間違った対北朝鮮政策への反省なき直進を正当化するためのものとしか見えない」と述べた。全国の元教授・現教授約6000人が加入している同教授会は昨年のいわゆる「チョ国(チョ・グク)疑惑」時、チョ国前司法部長官の辞任を要求する「時局宣言文」を出した。

 法曹界からも、統一部の今回の措置は「反憲法的」「罪刑法定主義にそぐわず違法」という批判が相次いでいる。キム・ヒョン元大韓弁護士協会会長は「北朝鮮不良政権の要求に屈することに反対する」と言った。また、自由法治センターは同日午前、「統一部の措置は憲法が定めた言論・出版の自由、集会・結社の自由にそぐわず、人権も侵害している」という内容の陳情を国家人権委員会に出した。

 柳吉在(リュ・ギルジェ)元統一部長官は同日、自身のブログに「文在寅(ムン・ジェイン)の夢想が対北朝鮮政策を台無しにする」という題の文章を掲載した。柳元長官は「北朝鮮の北朝鮮向けビラ非難が、南北関係断絶や南を敵対関係と見なすという脅迫に飛び火し、青瓦台と政府は右往左往している」「文在寅の対北朝鮮政策は完全に破たんした」と主張した。

 野党からも批判が相次いだ。未来統合党の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「北朝鮮の脅迫に屈した統一部と共に民主党が脱北者団体の弾圧に乗り出した」と述べた。鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員はフェイスブックに「文在寅政権の北朝鮮に対する片思いは涙ぐましくて見ていられない状況だ」「(韓国の)統一部なのか、(北朝鮮の)統一戦線部なのか」と書いた。

キム・ウンジュン記者
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