【萬物相】北朝鮮の「悪口」研究開発

 先日、北朝鮮の宣伝機関が文在寅(ムン・ジェイン)大統領による南北米の善循環関係構想を「月の国のたわごと」と非難した。北朝鮮の元政府関係者だった脱北民は「ムン(Moon)大統領に当てつけて作った表現だろう」と述べた。「薄汚い野良犬の群れ」といった悪口も普段はあまり使われないという。専門の担当者が作った表現のようだ。効果があると判断されれば繰り返し使われる。昨年、文大統領の光復節演説を「ゆでた牛の頭が笑う」と侮辱したが、これは李明博(イ・ミョンバク)政権当時も使われた言葉だ。

 北朝鮮が悪口を開発する部署まで設置しているのは、金氏一家がこれを好んでいる上に、悪口爆弾も重要な武器と認識しているからだ。しかし悪口が通用しない相手には注意する。2018年にシンガポールで行われた米朝首脳会談を前に、外務省次官が米国のペンス副大統領に対し「鈍いまぬけ」と侮辱すると、トランプ大統領は会談を取りやめた。その後、北朝鮮はトランプ大統領とペンス副大統領への露骨な非難は今もできない。15年に北朝鮮が地雷による挑発を行ったときは、韓国軍が自走砲29発を一気に北朝鮮に打ち込んだが、このときも北朝鮮が先に交渉を提案し、遺憾を表明した。北朝鮮とはそのような集団だ。

アン・ヨンヒョン論説委員

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