「文大統領、南北ホットラインが作動しないと告白」

ボルトン回顧録を単独入手
「文在寅大統領がトランプに告げた」

 北朝鮮が「今月9日に廃棄する」としていた「南北首脳間ホットライン」と呼ばれる直通電話がある場所に「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は全く行ったことがない」と米ホワイトハウスのボルトン元国家安保補佐官が回顧録で主張した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年6月末、板門店における南北米の会合前に米国のトランプ大統領に「それは朝鮮労働党本部にあり、彼(金正恩氏)はそこには全く行ったことがない」と伝えたという。本紙が21日に事前入手したボルトン氏の回顧録『それが起こった部屋』の韓半島に関する部分に記載されている内容だ。

 ボルトン氏は、板門店の自由の家で南北米の首脳が会った昨年6月30日、文大統領とトランプ大統領が昼食を共にした際にやりとりした対話の内容を紹介した。その内容によると、金正恩氏に会うためこの日午後に板門店に行く予定だったトランプ大統領は「金正恩氏と短いが非常に成功的な会談ができそうだ。文大統領にとっても非常に良いことだ」と述べたという。文大統領が「韓国人はトランプ大統領のことが好きで尊敬している」と伝えると、トランプ大統領はうれしそうな表情で「自らが大統領になってから韓国がいかに変わったか」を語った。ボルトン氏が回顧録で明らかにした。

 トランプ大統領は「金(正恩氏)がツイッターを通じて会うことにしたのは、巨大なシグナルのようだ」「他の誰もどうやって彼と連絡できるか知らない」と述べた。その言葉を聞いた文大統領は「韓国は金委員長とのホットラインを開設したが、それは朝鮮労働党本部にあり、彼(金正恩氏)は全くそこに行ったことがない」と告白したとボルトン氏は主張している。文大統領はさらに「その電話は週末には作動しない」とも伝えたという。このホットラインは韓国側は青瓦台(韓国大統領府)與民館の文大統領執務室の机にある。

 南北首脳間ホットラインは2018年3月、青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長一行が文大統領の特使として北朝鮮を訪問した際、その場で合意した成果の一つだった。同年4月20日に当時青瓦台第1付属室長だった宋仁培(ソン・インベ)氏と、北朝鮮の名前が明らかにされていない「国務委員会関係者」が直通電話のテストを行った際、青瓦台は「分断70年の歴史において意味のある事件」と宣伝していた。韓国政府は、2018年の4・27南北首脳会談前後に「文大統領と金正恩氏が電話で話し合う」と予告していたが、実際は1回も通話は実現しなかった。北朝鮮は今月9日、青瓦台とのホットラインを含む南北間の全ての通信連絡手段を遮断、廃棄すると表明した。

金真明(キム・ジンミョン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい