【コラム】崔順実被告は再調査しないのか

【コラム】崔順実被告は再調査しないのか

 チェ・ソウォン氏(改名前の旧名・崔順実〈チェ・スンシル〉氏)の獄中回顧録の初版1000部があっという間に完売となったが、なんとか手に入れ、読んでみた。最高裁で懲役18年が確定したチェ被告の主張をありのまま信じる人はそう多くないだろう。しかし、本を読んでいる間、最近与党内で再調査を主張する「韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相の9億ウォン(約7900万円)収賄事件」が脳裏をよぎった。

 与党の主張は、検察が韓元首相事件の証人に虚偽の証言を強要したという点だ。これまで各種の詐欺事件による前科で刑務所に服役中の服役者はもちろんのこと、当時すでに出所して社会への復帰を果たしていた民間人の証人を検察庁に集め、韓元首相に不利な証言を教育したといった内容だ。

 チェ被告も書籍で同様の主張を行っている。「夜明けに突然娘(チョン・ユラ)がいなくなった。検察が証言台に立たせるため、子どもをホテルに連れていって懐柔し、早朝に呼び出して証言内容を予行演習させ、証言台に立たせた」

 与党は、検察が韓元首相事件の証人を別件の捜査により圧力を加えることで、供述を回遊したと主張する。チェ被告が書籍で最も多く言及した単語も「懐柔」と「脅迫」だ。チェ被告は「捜査部のH検事は『検察庁に来た以上、全てを打ち明けた方がいいだろう。そうでなければ、ただではおかない』と脅迫し始めた」と書いている。

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