【朝鮮日報コラム】「選民DNA」を持つがゆえに悪事を働けない

尹美香・チョ国らを無条件で擁護…「運動圏は過ちを犯さない」という神話に盲従

 386運動圏出身者は「道徳的優越感が罪の意識をなくした。反省することを知らない」と言った。「我々は民主化・市民運動をしてきた正義の人々」といううぬぼれに陥り、自分たちの不正や不公正には目をつぶっているということだ。かつて朴淵次(パク・ヨンチャ)元泰光実業会長による贈賄疑惑が発覚した時、親盧武鉉(ノ・ムヒョン)系の中心人物はこう言った。「それは政治的同志が与えた小遣いだが、何が問題なんだ?」。親盧武鉉系の後援者だった姜錦遠(カン・グムウォン)元昌信(チャンシン)繊維会長についても「政治的発展を無条件に支援する美しい篤志家」と言った。

 韓明淑元首相の金は見返り的な性格がなく、チョ国元長官の子の入試不正は目をつぶってもいいレベルで、尹美香議員の寄付金流用疑惑は慣行だと見なす。いくら罪や過ちを犯しても「間違ったことをした」と認める人がいない。もともと「善良な人」だという腕章をつけていれば無条件で免罪符をもらえる世の中になったようだ。与党関係者内部からも「親文(在寅系)は特権階級なのか」という声が上がっている。

 今年4月の総選挙で176議席という絶対議席数を獲得した与党は、数字の力で「正義」さえ変えようという勢いだ。自分たちがやれば正義であり、法であり、真実だと考えているようだ。しかし、優越感と独善に浸ってごう慢になった権力は長続きしない。世の中には選民も、特別なDNAもない。罪は人を選ばない。現在の執権勢力がかつて立ち向かい、闘った過去の政権がどのようになったのか振り返ってみてほしいものだ。

政治部=ペ・ソンギュ部長

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