【萬物相】Kスポーツの影、暴力

 暴行といじめに耐えられず、この世を去ったトライアスロンのチェ・スクヒョン選手に対しては「生きて復讐すればよかったのに」といった死を悼む書込みがネット上で相次いでいる。選手たちは上の学校への進学や就職の決定権を持つ指導者の下で、「絶対的な甲乙関係」の中で生きている。「一生にわたり目をつけられるリスクを冒して大韓体育会やその競技団体に訴えても無駄だった。そのため最後は極端な選択をしたようだ」と知人たちは泣きながら語った。彼らにとってスポーツ界というのは法律からは遠く、拳がすぐ近くにあるところだ。

 医師でもなく何の資格もない人物が「チームドクター」と呼ばれ、合宿に同行し選手たちに体罰まで加えた。大韓スポーツ医学会は「非資格者をチームドクターとして呼び、過度な権威と誤解を呼び起こした」とする声明まで出した。スポーツにおける人権問題を所管する文化体育観光部(省に相当)と大韓体育会では、1年もしないうちに担当者が交代する。専門性のないところで「暴力」という毒キノコが今も大きく育っている。

閔鶴洙(ミン・ハクス)論説委員・スポーツ部次長

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