【寄稿】日本の学生運動世代からなぜマルクス主義者が消えたのか

 彼の答えは、やや意外なものだった。その問題は政府の政策では解決できないので、数年間、夏休みに海外旅行をするよう30万人程度の大学生に対し後押ししてやったという。当時、日本は中立国で、ソ連や共産国への旅行が自由だった(原文ママ)。幾つもの国を見て回った若い世代は、世界のどこへ行っても、日本より自由で豊かな国は米国とつながりのある民主国家であることを発見した。ソ連や共産主義国が日本より遅れているのを実際に見て体験したから、自然と解決した-という説明だった。旅をしてみた人は誰でも皆認めている事実だ。

 1980年代、西江大学のK名誉教授が国際会議で共産国家のユーゴに出掛けた。会議場の国営特級ホテルの施設は韓国の大学寮にも劣るものだった、という話をしていた。

 コロナ問題さえなければ、韓国の若者も大いに旅行をする。どの国が幸せで、未来を引っ張っていけるか見てきたらいいと思う。進歩を自認する社会主義指導者らの子どもたちがどの国への留学を好んでいるかも、見れば分かる。これからも、自由民主主義の国々が世界を導いていくだろう。自由と人間愛が後押しするからだ。

金亨錫(キム・ヒョンソク)延世大学名誉教授

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