セクハラで訴えられた翌日、朴元淳ソウル市長「とてもつらい」…14時間後に遺体で発見

朴元淳ソウル市長死亡、当時何が起きたのか

 人口1000万を擁する韓国の首都、ソウルの市政を引っ張ってきた朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、なぜ突然、極端な選択で命を絶ったのだろうか。朴市長が10日未明に北岳山のふもとで遺体で発見されるまさに前日の時点でも、家族やブレーンは、朴市長におかしな気配があるとは全く感じられなかったという。今回の事件は、今月8日午後3時30分ごろ、ある若い女性が弁護士と共にソウル市鍾路区内資洞のソウル地方警察庁1階民願室へやって来たことで始まった。ロビーで一行と会ったソウル警察庁の女性犯罪捜査チーム所属の女性捜査官らは、一行を庁舎外に用意された別の取調室へ案内した。

 若い女性は、朴市長の元秘書のAさんだった。Aさんは8日、朴市長をわいせつ行為の疑いで警察に告訴した。警察関係者も「朴市長がわいせつ容疑で訴えられたのは事実」と確認した。Aさんに対する警察の被告訴人調査は午前0時過ぎまで続いた。警察関係者は「Aさんが提出した告訴状に記された内容が事実かどうかを把握するための事情聴取だった」と語った。

 本紙の取材を総合すると、告訴状には、Aさんが「朴市長の秘書として働いている間、数年にわたって継続的にわいせつ行為やセクハラに遭った」とする内容が細かく記されていたといわれている。わいせつ行為の被害事例としてAさんが主張した内容の要旨は「朴市長はテレグラムなど携帯電話のメッセンジャーを使ってセクハラメッセージを繰り返し送ってきて、朴市長から望まない身体接触をされることがひんぱんにあった」というものだ。みだらなチャットを送ってきたということも告訴状の中に含まれていたという。また、朴市長が下着だけの姿の写真を送ってきて、同様の写真を撮って自分に送ってよこすよう要求したこともある、とAさんは警察の事情聴取で明かした。Aさんは、朴市長が送ってきた写真やチャットの内容を証拠として警察に提出したといわれている。朴市長に対するわいせつ容疑の告訴事件は、直ちにソウル警察庁生活安全部長を経由してソウル警察庁長にまで報告された。事案が重大だと判断したソウル警察庁長は、上級機関である警察庁本庁にこの事件を報告した。報告には、朴市長に対する告訴の内容が含まれていたという、本紙の取材によると、警察庁は青瓦台(韓国大統領府)国政状況室を通して事件に関する内容を報告したといわれている。正確な報告の時期はまだ確認されていない。しかしAさんに対する事情聴取が午前0時過ぎの深夜に終わったので、9日未明から午前中の早い時間帯に報告されたものと推定される。

【写真】朴元淳ソウル市長の遺体を収容する捜査隊員たち

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲防犯カメラに映った朴元淳市長の最後の姿/写真=読者提供

right

あわせて読みたい