他の事件時は被害者…朴元淳事件時は「被害呼訴人」

【朴元淳波紋】青瓦台・与党、前例のない用語作り出す

 「『被害呼訴人』の苦痛と恐怖を考慮し、『被害呼訴人』を中傷する2次加害をやめるようお願いする」

 青瓦台が13日、記者らにこのような内容のテキストメッセージを送った。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長を告訴した元秘書Aさんのことを「被害者」ではなく「被害呼訴人(被害を訴えている人の意)」と称し、朴市長が疑惑を持たれている「わいせつ行為・セクハラ(性的嫌がらせ)」という言葉には言及しなかった。匿名を希望する多くの女性学者たちは「『被害呼訴人』という言葉は、被害者ではないかもしれないという余地を残した単語だ。青瓦台がこのように前例のない単語まで作って被害者のことを呼ぶことこそ、真の2次加害だ」と批判した。

 青瓦台・与党でも告訴人Aさんのことを「被害呼訴人」と呼ぶケースが続出している。朴市長が持たれている容疑が確定していないだけに、告訴人を「被害者」と呼ぶことはまだできないという論理だ。与党・共に民主党の陳聲準(チン・ソンジュン)議員も同日、MBCラジオの番組『キム・ジョンベの視線集中』に出演した時、Aさんのことを「被害呼訴人」と呼んだ。同党の李海チャン(イ・ヘチャン)代表も「被害を訴える女性の痛みにいたわりの意を表する」とした上で、現在の状況を「予期していなかったこと」「このような状況」などと表現した。

 だが、以前はこうではなかった。青瓦台のカン・ジョンス・デジタル疎通センター長は今年5月1日、「15年間にわたり性的暴行をしてきた実の父親を厳罰に処してほしい」という内容の国民請願投稿に言及した際、「捜査と裁判の過程で『被害者』の立場が十分に反映されて、罪状に相当する刑罰が言い渡されるように積極的に努力する」と述べた。裁判が終わる前だったが、「被害者」「加害者」と呼んでいたのだ。

 陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大学教授は14日、フェイスブックで、「『被害呼訴女性』とはどういう意味なんだ。再びあの畜生みたいな無罪推定の原則か」「被害者という言葉を差し置いて、被害呼訴女性という見慣れぬ造語を作り出して使うのは、わいせつ行為・セクハラの事実を認める意思がないということだ」と指摘した。

ウォン・ウシク記者
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