【コラム】朴元淳市長はセクハラ容疑を除けば完璧なのか

 朴氏はポスコやプルムウォンなどで社外理事(社外取締役)を務めた。「Xファイル事件」以降、コーナーに追い詰められたサムスンから研究費として5000万ウォンを受け取った。朴氏は市民運動の拡散には寄与したが、それに劣らず市民運動本来の精神を堕落させた。市民団体が大企業を食い物にし、権力志向的に変わっていった背景には明らかに朴氏の役割があった。

 朴氏が安哲秀(アン・チョルス)氏とソウル市長出馬交渉をするために登場した際に着ていた登山服も企業の協賛によるものだった。ソウル市長になった後、ある与党議員が「市長はたくさんの協賛を受けているが、本人の月給を社会に還元したことはないですね」と質問すると、朴氏は「自分は何しろ貧しくて」と答えた。

 しかし、盧泰愚(ノ・テウ)政権時代に朴市長宅で2-3カ月隠れ住んだことがある張琪杓(チャン・ギピョ)先生の記憶は異なる。

 「ソウルの東橋洞ロータリー近くにある彼の家は白い煉瓦の壁の中にある2階建ての西洋家屋だ。庭に芝生が敷かれた邸宅だった。当時朴元淳は弁護士として多額を稼いだ。そんな彼がソウル市長まで務め、借金を7億ウォンも残したというニュースを見て、いったいどうやって暮らしてきたのか理解できなかった」

 民主化補償金などを全て辞退し、生涯を素朴に暮らした張先生はこう評した。

 「死はそれまでの人生の総括だ。どのように死ぬのかを見れば、どう生きて生きたのかが分かる。まともに死ぬためには正しく生きなければならない。公的にみて朴元淳の人生は偽善的で破廉恥だ。彼が『清廉な人間』ならば、決してこんな結末になるはずはない」

チェ・ボシク上級記者

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