【萬物相】国父

【萬物相】国父

 「国父」に対する愛情と尊敬を語るならば、トルコ人を抜きにはできない。官公署や地下鉄、さらには露天商の店先でも初代大統領ムスタファ・ケマル・アタチュルクの肖像画や語録を見ることができる。その名を冠した施設や銅像、記念館や記念物は国土全域に広がり、全ての貨幣に彼が登場する。国会は彼に「トルコの父」(アタチュルク)の称号を献じ、「永遠にほかの人間は使用できない」と定めた。彼を冒涜(ぼうとく)したら処罰される法律まである。

 多くの国が、建国・独立・近代化に寄与した功績が大きく国民に尊敬される指導者を国父と仰いでいる。中国の孫文、シンガポールのリー・クアンユー、ベトナムのホー・チ・ミン、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ、ミャンマーのアウンサン、イスラエルのベン・グリオンなどだ。米国は独立宣言文と建国憲法に寄与した「建国の父」(Founding Fathers)の中で、初代大統領ジョージ・ワシントンを国父(Father of nation)として受け入れている。毎年数十万の米国人が、彼の名を冠した首都ワシントンから「ジョージ・ワシントン・メモリアル・パークウエー」に乗り、およそ30分の距離にあるワシントンの生家を訪れる。

 数年前、韓国政界に合流した進歩系の大物学者が李承晩(イ・スンマン)を「国父」と評価しつつ「国を建てた方を前向きに評価し、その和合の力で未来を引っ張っていくべき」と語った。臨時政府初代大統領にして大韓民国初代大統領の功績に光を当てようというものだった。だが、当時野党だった民主党が「3選改憲で民主主義の原則を破壊した人物」「4・19革命の遺族に対する冒涜」だと反発すると、この学者は「国民目線を満足させるという点で、あまりにも足りなかった」として謝罪した。

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