【朝鮮日報コラム】私は「1もない」という表現に憤慨している

【朝鮮日報コラム】私は「1もない」という表現に憤慨している

 「その可能性は1もありません」。7月23日の李仁栄(イ・インヨン)韓国統一部(省に相当)長官候補者に対する人事聴聞会で、与党「共に民主党」の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員が李仁栄氏の息子のスイス留学をめぐる特別待遇疑惑を否定したときの言葉だ。尹議員はこの日「1もない」という表現を何度も使った。尹議員は「(李仁栄氏が)介入する余地は1もなく」「父親が政治家という事実が影響を及ぼす可能性はほんの1もない」「対北ビラこそが韓半島の平和にとってほんの1も役に立たないものだ」と述べた。この日、尹議員の発言は、国会の議事録に一字一句記録された。

 「1もない」という表現は、2014年にウリマル(韓国語)に不慣れなカナダ国籍の教授が「一つも分からない」とすべきところを「1も分からない」と書いたことに由来する新造語だ。その後、あるガールズグループが『1もない』という歌を歌ったのを機に大流行した。しかし、正しい韓国語の用法としては「一つも」を「1も」と言い換えることはできない、というのが国立国語院の公式の立場だ。

 国立国語院は韓国語の「ハナ(一つ)」という単語について、「後ろに続く『ない』などの否定語と合わせて『全く』『少しも』の意味を表す名詞」とした上で「これは数字の1を『ハナ』または『イル』と読むのとは概念が異なり、代替するのは困難」と説明している。国語辞典も名詞の「ハナ」と数字の「1(イル)」を厳格に区別している。学界では「1もない」が大流行して以来、韓国語の基数と序数の体系が崩れ始めたとの指摘が出ている。

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