前科5犯の韓国与党議員・辛正勲氏「法の支配は怖い言葉で危険だ」

尹錫悦検察総長を批判、法治主義を否定

 与党共に民主党の辛正勲(シン・ジョンフン)議員が4日、「自由民主主義は法の支配によって成立する」とする尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の発言について、「その思い切った発想はとても衝撃的だ」と述べた。

◆韓国、腐敗認識指数39位、TOP10は?

 辛議員はフェイスブックを通じ、「法律は良心と常識の境界を定めるための道具にすぎない。一般人の立場で『法の支配』のような恐ろしい言葉はとても危険に聞こえる」と主張した。また、尹総長については、「公平無私でもない自分自身を法の具現者や法律自体と混同する方々がそういう言葉を使えば、さらに危険に感じられる」と指摘した。

 それを巡り、政界からは「国会議員が『法治主義』を否定する発言を行った」との批判が聞かれる。尹総長が述べた「法の支配」は議会が制定した法律に従い、国家が運営されるべきだという「法治主義」の基本原理だが、国会議員がそれを「恐ろしい言葉」と表現したからだ。元喜竜(ウォン・ヒリョン)済州道知事は「(辛議員の発言は)法治主義を真っ向から否定した無知な発言だ。良心と常識が溶け込んでいるのが法律であり、恣意(しい)による支配を防ぐことが法の支配だ」と批判した。

 辛議員の前科も再び注目されている。辛議員は高麗大在学中の1985年、ソウルの米国文化院占拠ろう城を主導したとして、翌年に懲役3年の判決を受けた。88年に特別赦免で復権したが、翌年には公務執行妨害などの罪で再び懲役8月を言い渡された。2000年には飲酒運転、07年には農地法違反などで罰金刑を受けた。羅州市長在任中の10年には背任などの罪で懲役3年、執行猶予4年を言い渡され、13年1月に特別赦免で復権した。

 別の民主党議員も同日、尹総長を非難した。民主党最高委員選挙に出馬した申東根(シン・ドングン)議員は「尹総長が事実上、反政府闘争宣言を行った」と述べた。共に市民党の共同代表を務めた崔培根(チェ・ベグン)建国大教授は「民主党は尹総長を弾劾せよ」と主張した。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい