【社説】「ナヌムの家」官民調査より「尹美香」検察捜査の方がはるかに難しいのか

 慰安婦被害者支援施設「ナヌムの家」の運営法人について、官民合同調査団が11日に調査結果を発表したが、慰安婦被害者支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」と与党・共に民主党尹美香(ユン・ミヒャン)議員(元正義連理事長)の会計不正・寄付金流用疑惑に関する調査結果はなぜ出ないのか、と国民の関心が高まっている。今年5月に慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんが「尹美香にだまされた」と告発して浮上した問題だが、肝心の懸案については全く音さたがなく、そこから派生した「ナヌムの家」の調査結果の方が先に出たからだ。

 調査によると、ナヌムの家は2015年から2019年までに寄付金88億8000万ウォン(約8億円)を集めたが、実際に施設に送られた金額はその2.3%に当たる2億ウォン(約1800万円)だったという。寄付金38億ウォン(約3億4000万円)は追悼公園建設費や土地の購入などの資産形成のために使ったというのだから、本末転倒としか言いようがない。

■腐敗認識指数1位はデンマーク&NZ、韓国は39位、日本は?

 正義連の不正疑惑は、既に数多くの証拠と状況が明らかになっている。国庫補助金と寄付金37億ウォン(約3億3400万円)が正義連の会計帳簿から消えた。正義連は亡くなった慰安婦被害者の口座から随時まとまった額を下ろし、資金洗浄(マネーロンダリング)疑惑まで取りざたされている。集まった寄付金が慰安婦被害者のために使われず、京畿道安城市の「慰安婦憩いの家」の建物は尹美香議員個人の別荘のように利用されていた。この施設に尹美香議員の父親が就職して給料まで受け取っていた。尹美香議員の家族は所得が多くないのにローンを組むことなく自分の金で5回も家を買ったほか、同議員の娘は大金が必要な米国の大学に留学している。

 こうした状況にもかかわらず、尹美香議員の検察召喚日程すら決まっていない。今年5月に告発状が受理されて以降、ソウル西部地検捜査チームは捜査するふりばかりしている。複雑な事件でもない。会計不正を解明すればいいのだ。その間にソウル西部地検長は大邱高検長に昇進し、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の大学の後輩である次長検事は検事長に昇進、大検察庁公判訟務部長に栄転した。政権の意向に沿って捜査を適当に進めていることに対する論功行賞(褒美)ではないのか。そうでなければ、捜査権がない民間が主導した調査結果発表よりも遅くなる理由がないのではないか。尹美香議員が与党所属で、正義連が政権の反日パートナーだからだとしか考えようがない。

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