SLBMを3-4基搭載、北の新型潜水艦が完成

米国大統領選の時期に合わせて進水の可能性

 国家情報院(韓国の情報機関。国情院)は20日、韓国国会情報委員会への報告で「豊渓里、東倉里に特異動向はないが新浦造船所は違うらしい」として「新型潜水艦の建造が終わった」と明かした。北朝鮮は最近、咸鏡南道新浦で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の搭載が可能な新型3000トン級潜水艦を建造していたが、この艦が完成したことを意味する。

■「世界の軍事力ランキング」韓国6位、北朝鮮25位、日本は?

 国情院は「従来のロメオ型(1800トン級)を改造し、建造が終わったものとみられるが、進水がいつになるか動向はキャッチされていない」とした。進水とは、建造された潜水艦を水に浮かべる手順のこと。今年4月に公開された国連安保理傘下の北朝鮮制裁委員会専門家パネルの最終報告書は、新浦造船所でSLBM発射用3000トン級新型潜水艦を3隻同時に建造できる大型施設が観測された、と明かした。

 北朝鮮の3000トン級潜水艦は3-4基のSLBMを積むことができ、韓国だけでなく米国を狙った「戦略的挑発兵器」に挙げられる。この新型潜水艦には、北朝鮮が開発中の新型SLBM「北極星3」が搭載されると予想されている。従来の新浦型潜水艦は2000トン級で、SLBMを1発しか搭載できなかった。韓国軍関係者は「北朝鮮はいつでも新型潜水艦を公開できるとみている」としつつ「ただし、公開時に強力なメッセージを与えなければならないので、米国の大統領選の時期などに合わせて進水式を開くこともあり得るとみている」と語った。北朝鮮のSLBM搭載可能な潜水艦の公開は、米国が考える「レッドライン」を超えるものなので、大統領選を控えた米国政府はデリケートに考えるしかない。

 また国情院は、これと共に「新浦造船所ではゴレ型潜水艦や水中射出装置が引き続き識別されている」と報告した。3000トン級新型潜水艦にとどまらず北朝鮮の潜水艦の動向全般が尋常でない、という意味だ。

 その一方、国情院は「寧辺の5メガワット原子炉は稼働中止状態で、再処理施設稼働の兆候も識別されていない」として「北朝鮮軍の夏季訓練の量も25-65%減少した」と明かした。このところ衛星写真などにより「浸水説」が浮上していた寧辺核施設については「浸水などの動向報告はなかった」とした。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい