国境なき記者団、チョ・グク報道で拘束されたジャーナリストの釈放要求

国境なき記者団、チョ・グク報道で拘束されたジャーナリストの釈放要求

 フランス・パリに本部を置く国際的なジャーナリスト団体「国境なき記者団(RSF)」は19日、取材源を明かすことを拒否したという理由で収監された韓国のジャーナリスト、禹鍾昌(ウ・ジョンチャン)氏(63)の釈放を求める声明を発表した。禹氏はチョ・グク元法務部長官の名誉を既存した疑いで拘束されている。


 RSFは「韓国政府に反対する傾向のジャーナリストで政治評論家として知られる禹氏は2017年の朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領に対する弾劾が陰謀によるものだったという動画を流した際、取材源を明かすことを拒否し、名誉毀損の罪で懲役8月の判決を受けた」と指摘した。

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 RSFは取材源を明かさなかったことが禹氏の拘束理由になったとみて、その点を問題視したとみられる。RSFのセドリク・アルビアニ東アジア局長は「ジャーナリストは論争となっているテーマを扱う際にも法的な報復の恐れなく、いかなる状況でも取材源を秘匿できなければならない」と指摘した。

 月刊朝鮮などで記者を務めた後、ユーチューバーとして活動していた禹氏は18年3月、「チョ・グク青瓦台民情首席秘書官(当時)がチェ・ソウォン氏(改名前は崔順実=チェ・スンシル)に対する一審判決公判の直前の18年1月から2月初めにかけ、国政介入事件の裁判長を務める部長判事と青瓦台近くの食堂で会い食事したという情報提供があった」と動画の中で語った。

 チョ元長官は19年、「明らかな虚偽事実」だとして、名誉毀損の疑いで禹氏を告訴。今年7月、一審のソウル北部地裁が懲役8月の判決を下し、禹氏は収監された。同地裁は「情報提供者の身元を明かさず、漠然とした推測で虚偽事実を放送したとみられる。ジャーナリストとして最小限の事実確認過程を経なかった」と指摘した。

 これについて、アルバイニ局長は「禹氏を即時釈放し、名誉毀損を無罪とすべきだ。ジャーナリストに対する法律的な攻撃を根絶しなければならない」と主張した。

 RSFは「今回の事件の原因である元法務部長官(チョ・グク氏)は最近ツイッターで、禹氏のような事例について、どんなジャーナリストでも法的措置を講じると脅した」とも指摘した。RSFは「韓国は十分な自由がある議会民主主義国家だが、古い法条項によって名誉毀損で最高懲役7年に処される」と批判した。

 今年RSFがまとめた言論の自由ランキングで韓国は180カ国・地域中42位だった。

パリ=孫振碩(ソン・ジンソク)特派員
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