「コロナ対応と称した宗教弾圧やめよ」…57か国266団体、文大統領に抗議の書簡

「特定集団をひとくくりにして批判、何ら役に立たない」

 自由北韓運動連合など世界57か国・地域の宗教・市民団体266団体が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し「新型コロナウイルスへの対応過程で宗教の自由を弾圧し、教会をスケープゴートと見なしている」という内容の抗議書簡を送ったと1日(現地時間)明らかにした。書簡には1万4832人が名を連ねた。

 宗教・市民団体はA4用紙4枚分の声明で「ここ数か月間、文大統領をはじめとする韓国政府は新型コロナウイルスの感染拡大の原因について、責任を教会にばかり押し付けている」と主張した。さらに「今夏に数百万人の韓国人がレストランやカフェ、カラオケを利用したが、コロナ感染拡大の原因については、社会的距離確保を遵守しマスク着用などの規則を守った教会だけが責任をなすり付けられた」と指摘した。ロッテリアや南大門市場など韓国国内の複数地域の集団感染ケースに言及し「教会に対する手荒い弾圧とは異なり、一般市民たちの行動(secular activities)については何ら措置を取らなかった」と主張した。

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 文在寅政権が新型コロナ感染拡大による社会的混乱と市民の不満などを鎮めるために、教会をスケープゴートのように不当に扱っているというわけだ。その上で、政府に批判的なチョン・グァンフン牧師が所属するサラン第一教会に対する家宅捜索について指摘した。

 また、書簡では「韓国は自由に基づいて建国された国なのに、このところ政府が見せている一連の行動は宗教に対する寛容さを弱体化させる一方、社会的な連帯も崩壊させる恐れがある」と指摘した。米人権団体ジュビリー・キャンペーンのアン・ブワルダ総括ディレクターは「過去数十年間にわたり人権状況改善のために戦ってきた韓国で、宗教に対する迫害が起きてショックだ」として「文大統領が一連の措置を考え直すよう願う」と要請した。ブワルダ氏は「宗教の自由は奪うことのできない権利(inalienable right)」と述べた。

 宗教・市民団体は「不確実性と心配・懸念が高まっている時期に、特定の集団をひとくくりにして非難するのは何ら役に立たない」と主張した。今回の書簡の発送を主導したスーザン・ショルティ自由北韓連合代表は「脱北者とメディアに対する文政権の弾圧が、今では教会と宗教にまで飛び火している」として「韓国政府は憲法に記されている自由の原則をもう一度よく考えるべき」と主張した。

 文大統領をはじめ与党関係者らは、新型コロナウイルスの感染再拡大の原因として教会の礼拝を主犯扱いしている。文大統領は先月27日、韓国教会総連合のキム・テヨン代表ら宗教界関係者を招いた席で「特定の教会が政府の防疫方針を拒否し、妨害している」と指摘していた。

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キム・ウンジュン記者
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