賃貸借法施行2カ月…伝貰価格上昇率6倍

ソウルのマンション、億単位で高騰 戸建ては65%減少し伝貰難深刻化

 今年7月末の住宅賃貸借法改正案が施行された後、ソウルのマンション伝貰(チョンセ=契約時にまとまった額の保証金を賃貸人に預け、月家賃がない不動産賃貸方式)価格上昇幅が施行前に比べ6倍高くなったことが分かった。伝貰価格が一度に数億ウォン(数千万円)ずつ上がるマンションが続出しており、比較的伝貰市場が安定していたソウル・江北地域も急騰している。「賃借人保護」を前に押し出して伝貰・月払い家賃契約期間を事実上4年に増やし、賃貸料上昇率を5%以内に抑える措置がかえって賃借人の被害を大きくしている。

 韓国鑑定院が18日に明らかにしたところによると、改正賃貸借法施行(7月31日)から今週(14日現在)までの7週間、ソウルのマンション伝貰価格指数は0.81%上昇した。今年4月の総選挙で与党が圧勝し、賃借人保護政策が取りざたされる前の春の引っ越しシーズン(4月6日-5月25日)の上昇率(0.14%)の6倍に達している。

■韓国人が住みたいと思う国内の都市1位は?

 ソウル市松坡区蚕室洞の「レイクパレス」専用面積84平方メートルは今年5月9億ウォン(約8080万円)だった伝貰実取引価格が、今月は12億ウォン(約1億770万円)と3億ウォン(約2700万円)上がった。同市蘆原区月渓洞「夢の森SKビュー」59平方メートルも5月の3億8000万ウォン(3400万円)に比べ、9月は4億9000万ウォン(4400万円)と伝貰が1億ウォン(約900万円)以上上がるなど、地域や部屋のタイプに関係なくすべて上昇した。

 伝貰難は今後さらに激しくなると懸念する声が多い。秋の引っ越しシーズンで伝貰需要が増えているのに、不動産市場における伝貰物件は尽きているためだ。不動産情報会社アシルによると、ソウルのマンション伝貰物件は7月30日の3万8873件から今月16日には1万3384件と65%減少したという。

 韓国資産管理研究院のコ・ジョンワン院長は「政府が住宅価格を抑えるためだとして、伝貰需要を増やす政策を乱発した結果が、今の伝貰難につながっている。賃貸人の規制ではない、実質的に伝貰物件供給を増やすことができる政策が急がれる」と話している。

チョン・スンウ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい