【コラム】米中半導体戦争、居眠りすれば我々が死ぬ

半導体をめぐる米・中・日の神経戦、韓国にあるのは量産技術・工場のみ
グローバル供給網が崩壊すれば無対策での「1位確保」はない…慢心は禁物

【コラム】米中半導体戦争、居眠りすれば我々が死ぬ

 1980年代の金曜日夕方、日本のある半導体工場。近くにマイクロバスが待機している。退勤する日本人技術者たちを乗せるためだ。バスはそのまま近隣の国際空港に向かう。飛行機はソウル・金浦空港に着陸する。技術者たちは韓国企業に半導体のノウハウを伝授すると、日曜の夜には再び日本に戻る。伝説のように語り継がれている韓国の半導体発展史の一場面だ。

 ところで、似たような場面が最近、中国と韓国の間で見られる。中国の半導体企業やディスプレー企業が韓国の人材を引き抜いているのだ。その上、公開求人サイトであからさまに高額年俸を提示し、堂々と技術者を連れていこうとしている。

 韓国の半導体創生期にはほとんど見られず、現在の中国に見られる点もある。国の介入だ。中国政府は数十兆-数百兆ウォン(数兆-数十兆円)の資金を半導体に投入している。最近、中国の各メディアは、ファーウェイ(華為技術)の任正非会長が9月17日に中国科学院を訪れ「国家チーム」が結成されたと報じた。中国科学院は半導体、ソフトウエア、通信、ロボットなどを研究する国の研究開発(R&D)機関だ。きっかけとなったのは、9月15日から始まった米国のファーウェイ制裁だ。

 ファーウェイはスマートフォンや通信設備などでサムスン電子に匹敵する、時にはサムスンの先を行く唯一の中国企業だ。米国は、自国の技術を用いた半導体のファーウェイへの納品を禁止した。これは、「米国の設備に日本の素材を入れ、韓国の工場が生産した半導体を中国が使う」というグローバル供給網が崩壊する可能性があることを意味する。

 米国は半導体製造装置に関する限り、世界で他国を圧倒している。製造装置の製造・運営に必要な技術ももちろん保有している。

■世界競争力ランキング1位はシンガポール、韓国23位、中国は?

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】米中半導体戦争、居眠りすれば我々が死ぬ

right

あわせて読みたい