【記者手帳】「バッテリー泥仕合」 LGとSKは何を信じて争っているのか

 このところグローバル市場の競争構図は、個別企業同士の1対1の争いではなく、生態系に基づいたチーム同士の争いだ。欧州は安全保障の次元から、バッテリー産業の生態系造成に乗り出した。未来の核心事業である電気自動車のバッテリー需給を他国の企業に依存すれば、自国の自動車産業をはじめ雇用まで打撃を受ける可能性があると判断したわけだ。欧州各国が韓国のバッテリー企業に代わる体系を構築すれば、世界のバッテリー市場1位のLG化学をはじめ今後の活路を探っている国内各企業の活躍は、ただの蜃気楼(しんきろう)で終わりかねない。

 兵法三十六計のうち16番目の教えに「より大きなものを捕らえるためには相手を極端に追い詰めない」という意味の「欲擒姑縦(よくきんこしょう)」がある。敵を追い詰めすぎれば敵も必死で反撃するため、望むものを手に入れるためには袋小路は避けなければならない、という内容だ。

 現在、LG化学とSKイノベーションが繰り広げている国内外の訴訟は十数件に達するが、鋭い言葉が飛び交うだけで、生産的な協議はとうの昔に選択肢から外されてしまった。井の中でかわずのように争っていると、一瞬にして企業は淘汰されてしまう。世界の市場で最後まで生き残るためには、協力して投資し「Kバッテリーの生態系」を構築していくことが、LGとSKにとって本当に集中すべきことではないのだろうか。世界1位という数字に酔っている間に、ピンチは既にすぐそばまで近づいて来ていたのかもしれない。

■世界の特許出願件数1位はHUAWEI、LG化学は?

◆世界の特許出願件数1位はHUAWEI、LG化学は?

チェ・ジヒ記者
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