【コラム】イケアとユニクロが難民支援に積極的な理由

 ヨーロッパ、米国、カナダなど購買力がある先進国市場の消費者たちが難民問題に関心を持っていることを考えると、ブランドイメージ向上効果が高いと言えるアプローチだが、残念ながら韓国企業の社会貢献活動において難民支援はほとんど存在感がない。

■難民への手厚い支援は、国の格が上がったことを全世界に知らしめる道

 難民発生が頻繁なアフリカ大陸の未来市場としての魅力もいっそう膨らむ可能性が高い。アフリカの人口は約13億人、GDPは2兆6000億ドル(約274兆円)に達する。米ワシントン大学の研究チームがこのほど出した報告書では、2100年にはナイジェリアが中国を抜き、インドに次ぐ世界第2位の人口大国に浮上すると見通している。ナイジェリアは石油の埋蔵量が世界10位、天然ガスの埋蔵量が世界11位の資源大国でもある。

 55の加盟国を抱えるアフリカ連合(AU=Africa Union)は昨年5月、アフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)を発効させた。アフリカ域内で商品・サービス取引を増進させ、資本・人材の自由な移動まで含めた貿易体制で、エリトリアを除くアフリカの54カ国が参加している。単一の貿易協定としては世界貿易機関(WTO)以降で世界最大規模だ。

 戦争と飢饉(ききん)、宗教と種族間の対立で苦しんでいる国にも平和は必ず訪れるだろう。そうなれば、その国の人々は苦しかった時代に助けてくれた人々のことを忘れないだろう。実益がなければ誰かを助けないというのは望ましい姿ではないが、そうした理由からでも、助けないよりは助けた方がいいということだ。

 韓国が日本による植民地支配時代や韓国戦争(朝鮮戦争)など、近現代史における数多くの手かせ・足かせを乗り越えて、経済大国に躍進できたのは、「難民として」世界各国をさすらい、祖国の困難な状況を伝えた我々の前の世代の人々や、それを温かく受け入れてくれた各国の人々の理解・配慮に負うところが大きかった。

 今こそ我々も助けなければならない。祖国で希望を失い、この地にやって来て旅人としてさすらう外国人を歓待することは、将来の世代のための「民間外交官」役を果たすことであると共に、我が国の格が高まったことを全世界に知らしめる道でもある。

イ・ヨンソン国際部長

■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、米国28位、日本は?

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