韓国プロ野球選手協会(選手協)前会長の李大浩(38)=ロッテ・ジャイアンツ=がこのほど浮上した「『会長弁公費(業務推進費)』6000万ウォン(約570万円)引き上げ」騒動について、「自分で引き上げたわけではない」という弁明に終始している。当初会長を引き受ける考えがなく、会長になるとは思っていなかった状況で、「待遇でも良くしなければ志願者が出ないだろう」という思いから弁公費を引き上げようと言ったのに、いつの間にかその受益者が自分になってしまったということだ。それ自体はその通りらしい。
しかし、騒動は収まらない。まず、李大浩は「やりたくない会長を無理に引き受けた」と語りし、選手協の位置づけを自ら貶めている。2日の記者会見で李大浩は「やるつもりはなかった」「仕方なく引き受けた」という趣旨の発言を繰り返した。最後には「選手協は力のない組織で、KBO(韓国野球委員会)がやろうという通りにしなければならない」「記事の件で、本当につらかった」とまで言った。
選手協はプロ野球選手たちの利益を代弁する団体だ。創立後から現在まで、数多くの野球界の先輩たちが苦難を経て守ってきた組織である。李大浩のチームの先輩である故・崔東原(チェ・ドンウォン)選手はその過程で不要なトレードまで甘受しなければならなかった。そうした歴史に李大浩は冷水を浴びせた。李大浩は「(望んでもいない)会長職を引き受けて苦労しているのに、(このような)非難まで浴びなければならのか」と訴えたことになるが、それならば最初から会長職を何がなんでも固辞すべきだった。就任する時はそんな話はせず、「セルフ弁公費引き上げ」騒動が巻き起こるや、悔しがる態度を見せるのは、選手の権益を代表する団体のトップとしてふさわしくない。