【コラム】「大きな政治家」秋美愛の没落

実力も緻密な戦略もなしに扇動、勢力頼みの法務部長官
徒党政治の「行動隊長」務めるも25年の政治人生粉々に

【コラム】「大きな政治家」秋美愛の没落

 剣を持っていないことを除けば戦場同然の政界で女性が生き残るのは夢のまた夢だ。女性が男たちにどれだけ無視されていたかが分かるのが、韓国人女性で初めて長官となった任永信(イム・ヨンシン)初代商工部(現・産業通商資源部)長官の「私は座って小便をするが、祖国独立のため立って小便をする人に劣らず奔走した。その私に決裁をもらいに来るのが嫌いな人は、すぐに荷造りをせよ」という就任第一声だ。野党初の女性党首・朴順天(パク・スンチョン)議員も同じだ。「雌鶏(めんどり)歌えば家滅ぶ」と皮肉られると、「国事が切迫しているのだから、雌鳥だの雄鳥(おんどり)だの言わず、関係なく使わなければ。ひよこを育て上げてから使っている暇はない」と言い返さなければならなかった。相当な根性、口達者、心臓でなければ、骨も残らないほど跡形もなく消え去るのが韓国の家父長的政界だ。池銀姫(チ・ウンヒ)元女性部長官のあだ名は「池剣」、朴映宣(パク・ヨンソン)中小ベンチャー企業部長官は議員時代ずっと「誰々スナイパー」と呼ばれた。

 それに比べると全在姫(チョン・ジェヒ)氏は物静かな政治家だった。国会議員3期当選、京畿道光明市長、保健福祉部長官まで務めたが、同氏のことを覚えている人は多くない。ほかの有名政治家たちのように強烈なあだ名も、騒がれるような語録も、熱い武勇伝もない。しかし、リーダーシップ研究者たちの間では、全在姫という名前は女性公職リーダーシップの理想的なモデルだ。パク・トンヒ前梨花女子大学教授は全在姫氏のことを「計画・委任・点検を通じた合理的課題志向型リーダー」だと評している。あらゆることに対して準備を徹底的にして、業務を完全に把握しているため、職員たちは同氏の前に立つと震え上がったという。

■世界報道自由度ランキング韓国42位、米国45位、日本は?

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