韓国統一部(省に相当)の李仁栄(イ・インヨン)長官は4日、米マーベル・スタジオの映画「マイティ・ソー」(Thor)に登場する宇宙現象を引き合いに出し、今の韓半島情勢について「『大転換の時間』がわれわれの前に開かれている」と述べた。北朝鮮が1月中旬の開催を予告した労働党第8次大会において、韓国への前向きなメッセージが出るとの期待を示したものと解釈されている。
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李長官はこの日映像形式で公開された新年の辞において「映画『マイティ・ソー』には九つの世界が一列に整列し、宇宙の気運が強く集中する場面が出てくるが、これは『コンバージョンズ』と呼ばれている」「例えて言えばこれと同じような韓半島の平和に集中した『大転換の時間』が、今われわれの前に開かれている」と述べた。李長官は「集中した気運」の事例として、昨年9月に西海で起こった韓国公務員銃殺に対する北朝鮮の謝罪や、昨年10月の労働党創建記念軍事パレードの際、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国に向け融和メッセージを送ったことを取り上げ、これらについて「情勢反転への期待感を残した」との見方を示した。李長官はさらに「北朝鮮の第8次党大会、そして米国での大統領就任などで韓半島の運命を巡る情勢の変化が本格的に可視化するだろう」との考えも伝えた。
李長官は「平和の春を呼び込むことのできる可能性の時間が今改めて近づいている」「われわれに対してより前向きな対話と協力のメッセージが北朝鮮から送られてくることを期待する」とした上で「(対北)人道協力から出発し、これを食料や肥料など民生協力に拡大し、さらには鉄道や道路など、非商業的な公共インフラでの協力を推進する段階的な構想をまとめてきた」とも明かした。
李長官は昨年7月の就任直後から、物々交換方式の「小さな交易」、水害からの復旧支援、コロナワクチンの分かち合いなどさまざまな形の南北協力事業を何度も提案してきた。しかし北朝鮮は「外部からいかなる支援も受けない」(昨年8月)、「なくても生活できる物資」(昨年11月)として李長官からの「ラブコール」に否定的な反応を示してきた。