北朝鮮が言及した極超音速兵器も、ミサイルではなく滑空飛行弾頭なので、時間と努力を投資すれば不可能ではないだろうと評価されている。極超音速ミサイルは、高度の先端技術が必要なスクラムジェットエンジンなどで動かす。しかし滑空飛行弾頭は、高度150キロ程度まで上がった後、高度30-60キロをグライダーが飛ぶように超高速飛行する方式だ。中国が2019年に軍事パレードで初めて公開したDF17ミサイルがこうした方式だ。
韓国軍の消息筋は「北朝鮮がマッハ10以上の超高速飛行に伴う弾頭耐熱技術や精密誘導技術を確保したとすれば、極超音速滑空飛行体の開発が可能」と語った。韓国軍当局は、北朝鮮が米国より先行している中・ロの極超音速兵器技術を活用し、比較的短期間のうちに開発する可能を懸念している。
北朝鮮はこれまでも、兵器開発のスピードと能力で韓米両軍当局を驚かせてきた。液体燃料方式のSLBM試射に失敗すると、わずか数カ月で固体燃料方式のSLBMを開発したり、対北制裁の局面でも火星14・15型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の試射に成功したりといった例が代表的だ。