【社説】検察・警察・与党がもみ消した「朴元淳セクハラ」を裁判所が認定、被害者にせめてもの慰めになれば

【社説】検察・警察・与党がもみ消した「朴元淳セクハラ」を裁判所が認定、被害者にせめてもの慰めになれば

 ソウル中央地裁は14日、故・朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のセクハラ疑惑について、「被害者が朴前市長のセクハラによってかなりの精神的苦痛を受けたのは間違いない事実だ」と認定した。セクハラの判断根拠として、「朴前市長がいやらしい携帯メール、下着姿の写真を送ってきた。『匂いをかぎたい』『写真を送ってほしい』などというメッセージが来た」という被害者の陳述を引用した。朴前市長が「男を知らなければならない」と述べ、性関係に触れたとする被害者の証言にも言及した。裁判所の判断は被害者に性的暴行を加えたとして起訴された朴前市長秘書室の元職員の公判で示されたものだ。裁判所は「朴前市長のセクハラで精神的苦痛を受けた状況で、犯行被害を受け、精神的被害はとても大きかったはずだ」と指摘した。驚くべきことに政府機関が朴前市長によるセクハラの事実を認定したのは今回が初めてだ。今の大韓民国は明らかな事実すら覆い隠してもみ消すことができる国だ。

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 朴前市長のセクハラは本来、被害者による告訴やセクハラほう助事件の裁判などで明らかにされるべきものだ。ところが、警察は先月、朴前市長のセクハラとその側近である『ソウル市長6階の人々』のセクハラほう助容疑を不起訴相当で書類送検した。全て嫌疑なしという判断だ。検察は翌日、朴前市長がセクハラで告訴された事実を漏らしたとして告発された李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長と青瓦台関係者に免罪符を与えた。検察が朴前市長サイドに告訴事実を伝えた当事者とされた与党議員も追及を逃れた。朴前市長のセクハラ事件では処罰を受けた人物も告訴事実を市長サイドに知らせた人物も存在しなくなるというあきれた状況となった。加害者はいなくなり、被害者だけが苦痛を受けている。

 被害者の弁護人は「被害者の実名と顔写真などがインターネットに広く流布された」とし、二次的な加害行為の中断を訴えた。被害者の母親は裁判所に「悪質なコメントを見ると、寝入った娘の寝息が聞こえなければ、本当に息をしていないのではないかと確認したくなり、よく眠れない」という嘆願書も提出した。朴前市長の秘書らは警察の庇護(ひご)を受け、「(朴前市長の)性的暴力という主張も真実性を疑わざるを得ない」と開き直っている。朴前市長がセクハラなどしてもいないのに自殺したというのか。反省どころか被害者をむしろ責め立てている。警察、検察、加害者、与党が全て目をつぶってもみ消しても、裁判所は真実を語った。弁護人は「被害者に少しでも慰めになりそうだ」と話した。せめてわずかな慰めになってほしいと願っている。

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