チョン・ボンジュン将軍像、「親日芸術家の作品」論争で撤去

井邑市、12億ウォンかけて新たに作ることに

チョン・ボンジュン将軍像、「親日芸術家の作品」論争で撤去

 全羅北道井邑市の黄土ヒョン戦跡地にあるチョン・ボンジュン将軍の銅像が、親日芸術家の手掛けた作品だという論争の末に撤去される。

■韓日関係悪化に対する国家別責任認識の有無

 井邑市は19日、「チョン・ボンジュン将軍銅像建立推進委員会」を開き、予算12億ウォン(現在のレートで約1億1300万円)を投じて今の銅像を撤去し、新たな銅像を作ると決定した。同委は「東学農民革命当時のチョン・ボンジュン将軍の新たな世の中に対する念願と威厳を込めた作品に交換する予定」と説明した。

 チョン・ボンジュン将軍の銅像は、1987年10月に井邑市徳川面の黄土ヒョン戦跡地に建立された。彫刻家の金景承(キム・ギョンスン)=1915-92=が花こう岩の土台上に作ったものだ。東学農民革命の関連団体や民族問題研究所などはこれまで、「金景承は親日人名辞典に収録された人物」だとして「銅像を撤去して立て直すべき」と主張してきた。

 井邑市の兪鎮燮(ユ・ジンソプ)市長は「徹底した歴史的考証により、東学農民革命精神の宣揚に背く記念事業を正す」とし「銅像再建立で、東学農民革命と共にチョン・ボンジュン将軍が井邑を代表する人物として記憶されることを期待する」と語った。この日の会議には東学農民革命の研究者、市議会議員、建築・造景・美術・彫刻分野の専門家、東学団体メンバーなどおよそ20人が出席した。

 彫刻家の金景承は韓国現代美術界において指折りの人物で、釜山・竜頭山公園にある忠武公・李舜臣(イ・スンシン)将軍像(1955)、仁川自由公園のマッカーサー将軍像(1957)、ソウル・南山公園の白凡・金九(キム・グ)先生像(1969)などを作った。

 国立現代美術館学芸室長を務めたキュレーターの丁俊模(チョン・ジュンモ)氏は「仮に親日芸術家が作った銅像だとしても、記念物であると同時に芸術品だという点から作品の撤去は不当で、極めて野蛮なこと」と語った。

キム・ジョンヨプ記者
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