【社説】李載寿元機務司令官の死は権力殺人、責任者の文大統領は一言もないのか

 特捜団の関係者は「事件にならない事件を無理やり作ることはできない」と言った。文政権が「無理やり作った事件」は一つや二つではない。文大統領が捜査を指示した事件はほぼ例外なく無罪になった。韓国軍機務司令部「戒厳令文書」事件は全員が嫌疑なしや無罪になった。朴賛珠(パク・チャンジュ)元陸軍大将事件の捜査もパワーハラスメント(パワハラ)は嫌疑なしになり、別件の収賄も無罪だった。司法介入事件でも次々と無罪が出ている。この政権は、他人にはない罪を作りながらも、月城原発1号機評価操作や蔚山市長選挙工作など身内の違法については、ある罪をなくそうとしている。

 生きている権力でも自分の不法行為をすべて覆い隠すことはできない。チョ国(チョ・グク)前法務部長官は妻・鄭慶心(チョン・ギョンシム)東洋大学教授の有罪判決により、子の入試不正や証拠隠滅で共謀していたことが確認された。朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のセクハラ(性的嫌がらせ)は警察・検察とも免罪符を与えたが、被害者の別の裁判で事実として認められた。罪のない人を無理に罪人にして死に追いやるなどということは、国がしてはならないことだ。この先頭に大統領が立っているとしたら、実に深刻な問題だ。ところが、そうした大統領は申し訳なさそうにしている気配すらない。

■韓国の2019年自殺率OECD1位、TOP10は?

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  • ▲写真=検察の「セウォル号惨事特別捜査団(特捜団)」が韓国軍機務司令部の貨客船セウォル号遺族不法査察疑惑について「嫌疑なし」との判断を下した。李載寿(イ・ジェス)元機務司令官=写真=は2018年、ソウル中央地検の捜査を受けた後、自殺した。

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