【記者手帳】白基玩の告別式は大目に見たのに…「防疫違反の自営業者摘発」を自慢する韓国警察

 「本当にむなしいですよ。これまで防疫守則をなぜ守ったのかと思います。ばかみたいだ」

 ソウル市竜山区梨泰院でパーティールームを営むイさんは、2月19日にソウル市庁広場で開かれた故・白基玩(ペク・キワン)統一問題研究所長の告別式の様子を見てため息をもらした。弔問客らが大勢集まっている写真だった。イさんは月に300万ウォン(現在のレートで約28万円)の家賃を払っているが、防疫守則が強化されて1カ月、全く営業できなかった。兄弟同士の集まりも禁止されるという防疫守則のせいで、市民は旧正月の家族の集まりを諦めた。5人以上の集まりを禁じる規定のせいで営業できなかったフットサル場のオーナー、トルジャンチ(子どもの満1歳の誕生祝い)専門業者などは1月にデモを行った。

 防疫守則違反を取り締まるべき市庁庁舎前の広場におよそ1000人が集まった。韓国首都圏の防疫指針によると、野外であっても集まることができるのは99人までだ。すぐ目の前で数百人が行き来したというのに、ソウル市も警察も何ら措置を取らなかった。告別式がゲリラ的に開かれたわけでもなかった。前日、葬礼委員会は「告別式を行いたい」と表明した。警察には「行事を開くので交通規制をやってほしい」という要請も行った。警察は取り締まるどころか車の通行を規制し、行事を助けてやった。

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  • ▲故・白基玩(ペク・キワン)統一問題研究所長の告別式

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