【社説】韓国政府「北の人権向上に努力」…牛も笑う発言

【社説】韓国政府「北の人権向上に努力」…牛も笑う発言

 韓国外交部(省に相当)の次官が、国連人権理事会ハイ・レベル・セグメントの基調演説で「韓国政府は北朝鮮内の人権状況に大変な関心と懸念を持っている」とし「北朝鮮住民の人権を実質的に向上するため努力してきた」と発言した。だが、北の人権のためいかなる努力をしたかには言及しなかった。そんな事例はないからだろう。

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 文政権は今年も、国連の「北朝鮮人権決議案」の共同提案国に加わらないという。3年連続だ。北が怒るのではと思って顔色をうかがっているのだ。5年前に制定された北朝鮮人権法によって作ることが定められている北朝鮮人権財団のオフィスは「財政的損失」を理由に閉鎖された。北朝鮮人権大使も任命したことがない。一体どんな努力をしたというのか。

 2019年に韓国政府が、亡命の意思を明かしていた北朝鮮の漁民2人を凶悪犯だとして北朝鮮に強制送還すると、国連の人権報告官が「深く懸念する」と表明した。フェンスを越えてきた亡命者が強制送還を恐れて韓国軍を避けていくという事態になった。金与正(キム・ヨジョン)の下命に基づいて「対北ビラ禁止法」を作ると、米議会の「人権聴聞会」の対象国になる羽目となった。昨年、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が北朝鮮の人権問題に関する文政権の措置に懸念を表した事例だけでも3回ある。韓国が「北の人権弾圧国」として追及されているというのが実情だ。

 韓国政府は、船員強制送還の後、国会で「漁民は『死んでも(北に)戻りたい』と言った」とうそをついた。北の木造船が三陟港に入ってきたときは、まるで船が漂流したかのようにうそのブリーフィングを行い、大統領が「南北対話がさまざまなルートで続いている」と言った翌日、北の外務省局長が「そんなものは一つもない」と一蹴した。その中でも、「北の人権改善の努力」うんぬんといううそは最悪だ。

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