夜の昌原市内で「液体テロリスト」の恐怖

20代の女性ばかりにコーヒー・清涼飲料水かけ、自転車で逃走…1カ月で11件
警察「女性憎悪犯罪の可能性」

夜の昌原市内で「液体テロリスト」の恐怖

 慶尚南道昌原市内で夜、ベンチに一人で座っている20代の女性を狙った「液体テロ」が相次いで発生、警察が捜査に乗り出した。

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 昌原中部警察署は「最近、女性に向かってコーヒーや清涼飲料水飲料などの液体類をかけ、逃走する事件が数件発生したため、捜査を進めている」と23日、明らかにした。先月22日から今月21日までの1カ月間で合計11件の被害が確認されている。警察はこの事件を同一人物による仕業と見て捜査している。

 この事件は、市民がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に「昌原市城山区中央洞の大型スーパー前で、自転車に乗って女性の体にコーヒーをかけて逃走した男を探しています」という書き込みがあった後、同様の被害を訴えるコメントが相次いだことから明らかになった。ある女性は「バス停に一人で座っていたら、誰かが清涼飲料水を頭の上にかけて逃げていった。驚いて振り返ると、既に暗い駐車場の方に消えていた」と語った。

 警察によると、容疑者は20代後半から30代前半との男と推定されており、被害者はほとんどが20代の女性だという。この男は、昌原市の繁華街である城山区中央洞一帯のバス停やベンチなどに一人で座っている女性に向かってコーヒーや清涼飲料水などの液体類をかけた後、自転車に乗って逃走している。犯行は暗く人影がまばらな夜9時から深夜の間に集中していた。被害者たちが覚えている容疑者は暗い色の上着を着てマスクをしているというものだった。しかし、突然の「液体テロ」に驚いて、容疑者の顔や体の特徴を詳細に覚えている人はいなかった。警察は周辺の防犯カメラ映像などを確保し、容疑者の特定を急いでいる。

 警察関係者は「液体をかける以外に、被害者に対するほかの行為はないことが分かった。女性に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)や精神障害者の行動など、さまざまな可能性を視野に入れている」と話している。

 警察は、このような「液体テロ」にも暴行罪を適用できると見ている。他人の意思に反して故意に身体に向けて有形力を加えたためだとの説明だ。有形力とは物理的な力のことで、有形力の行使には殴るなど被害者の身体に直接接触することのほかに、故意にツバを吐いたり、音楽のボリュームを上げて耳を痛くさせたりする行為なども含まれる。

キム・ジュンホ記者
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