高校韓国史教科書3種、済州4・3事件の記述に南労党なし

武装暴動を起こした主体として明記せず

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の済州4・3事件追悼演説が昨年に続き今年も論争を呼ぶ中、高校韓国史教科書8種類のうち3種類で、4・3事件の記述から武装暴動の主体だった「南労党」(南朝鮮労働党)を省いていることが判明した。

■世界報道自由度ランキング韓国42位、中国177位、日本は?

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が発表した「4・3事件真相報告書」も、4・3事件について「南労党武装隊と討伐隊の間で起きた武力衝突および鎮圧の過程で数多くの済州島住民が犠牲になった事件」と定義した。ところが、最も多くの学校が採択する未来Nをはじめ金星・東亜の合わせて3社の韓国史教科書は、武装暴動の主体として南労党を明示していないのだ。

 これらの教科書は「南労党が大韓民国政府樹立を阻止するため警察を武装攻撃して5・10総選挙を妨害した」という内容を省き、南労党の暴動と扇動(統一政府樹立など)を隠して、済州4・3事件の性格を「住民らが統一政府樹立のため単独選挙を拒否した運動」に変質させた-という指摘がなされている。

 本紙が5日、韓国政府の検定を通過して昨年から使用されている高校韓国史教科書8種類を調べてみた結果、未来Nの韓国史教科書は済州4・3事件を「1948年4月3日に武装隊が蜂起してから1954年9月21日までに、済州島で発生した武力衝突と鎮圧の過程で数多くの住民が犠牲になった事件」と定義し、武装隊が南労党だという事実を明かさなかった。東亜の韓国史教科書も「済州島の左翼勢力は単独選挙阻止、統一政府樹立を掲げて武装蜂起を起こした」と、南労党のことを明示しなかった。未来Nと東亜は、南労党の代わりに「左翼勢力」を武装蜂起の主体と記す一方、「警察や西北青年会を動員した弾圧」などと右翼団体の名称は具体的に記述した。金星の韓国史教科書も、南労党を明示していないことが判明した。

郭守根(クァク・スグン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲1948年9月2日に開幕した北朝鮮の最高人民会議第1次会議の様子。北労党と南労党をそれぞれ率いる金日成(キム・イルソン)=前列右=と朴憲永(パク・ホンヨン)=中央=が票決に参加している。

right

あわせて読みたい