労使対立ルノーサムスン社長「2度目の機会はない、韓国の生産力を証明すべき」

労使対立ルノーサムスン社長「2度目の機会はない、韓国の生産力を証明すべき」

 昨年、賃金団体交渉が妥結に至らなかったルノーサムスン自動車で労使対立が激化する中、同社のドミニク・シニョーラ社長が「2度目のチャンスはない」と警告するメッセージを送った。

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 シニョーラ社長は4日、ルノーサムスン自動車の社員に送った質疑応答(Q&A)で「昔は『もう一回』のチャンスがあったかもしれないが、今は全世界が困難な時期」だとして「ルノーサムスン自動車だけ2回のチャンスが訪れると考えてはならない」と述べた。

 さらに、シニョーラ社長は「今の時期を逃せば我々の車を見せるチャンスを逃すことになり、未来がさらに不透明になるだろう」として「短期的な利益より、目の前に押し寄せた現実の問題を直視してほしい」とも述べた。

 ルノーサムスンの労組はこの日、2020年賃金団体交渉での意見の隔たりが大きいことから、8時間のストを予告した。これに対し会社側は同日から、釜山工場と全国サービスセンターの争議行為参加者らを対象に職場閉鎖の断行を決めた。職場閉鎖とは、労働者側の争議行為に対抗するために、使用者が工場と作業場を閉鎖する措置だ。

 ストの参加率が高くないため、会社側は勤務を希望する社員には、勤労希望書を書かせた上で工場に入って勤務させるようにしている。このため、工場のラインは稼働しているという。

 ルノーサムスンの労組は、昨年7月から続いている2020年賃金団体交渉を終結できずにいる。韓国国内の完成車メーカー5社のなかで1社だけだ。労組は、基本金7万1687ウォン(約7000円)の引き上げと激励金700万ウォン(約68万円)の支給などを要求しているが、会社側は経営状況の悪化を理由に、基本給の凍結と激励金500万ウォン(約48万6500円)の支給を提示し、両者の主張は平行線をたどっている。

 シニョーラ社長は「ニュー・アルカナ(XM3)成功のために、初回の生産分の納期とボリュームの維持が最も重要だ」として「我々が欧州の顧客から最終的に選ばれるために、必ず初回の物量をディーラーにスケジュール通りに引き渡さねばならない」と説明した。ルノーサムスンは、釜山工場で生産している人気小型SUV(スポーツタイプ多目的車)XM3(現地名:ニュー・アルカナ)を昨年末から欧州に輸出している。

 釜山工場の生産性向上についても強調した。シニョーラ社長は「安定的な生産、最上の品質維持、納期厳守などを通じ、釜山工場の底力をもう一度示さなければならない」として「ニュー・アルカナは釜山から輸出するのが効果的ということを証明するチャンス」と述べた。

 シニョーラ社長は「1月と2月の販売は不振だったが、3月は持ち直した」として「XM3の物量に影響を与える部品問題と、釜山工場の生産が不安定という問題はあるが、会社側でディーラーと販売運営担当者のモチベーションを上げるための特別支援を準備した」と明らかにした。

 さらに「5月の販売目標達成に向けてQM6、SM6、ZOE(ゾエ)、マスター(小型バス)の物量を大量に保有している」「5月と6月にはSM6とZOEの販売台数を再び引き上げることに集中しなければならない」と付け加えた。

ミン・ソヨン記者
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