「コロナ巣籠もり」日本の高齢者を調査してみたら…筋力低下73%・もの忘れ悪化27%

「コロナ巣籠もり」日本の高齢者を調査してみたら…筋力低下73%・もの忘れ悪化27%

 「高齢者大国」日本で、新型コロナの余波により外出が減った高齢者の体力および認知能力の低下が深刻だということが明らかになった。日本経済新聞が4日に報じた。

 大阪市が65歳以上の高齢者200人を対象に3年間行っている体のバランス能力および筋力の調査で、高齢者の筋力の著しい現象が観察された。2017年から19年の調査に参加した高齢者集団の場合、調査最終年の2019年の時点で、バランス能力が前年より減少した割合は35.5%だった。筋力が減少した高齢者の割合は44.2%だった。ところが2018-2020年の調査に応じた高齢者集団では、2020年の時点でバランス能力・筋力が前年より減少した割合はそれぞれ53.5%、72.9%と大きく増えた。大阪市では、2020年の新型コロナ拡大で外出自粛が要請され、数値の悪化に影響を及ぼしたとみている。

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 東京都豊島区が東京大学と共に65歳以上の高齢者を対象に毎年実施している「フレイルチェック」の結果も、状況は同じだ。日本では、健康な状態と介護が必要な状態の間に位置する中間段階を「フレイル(心身の活力が低下した状態)」に分類している。豊島区は、高齢者の口腔の状態(『お口の元気度』)や対人関係(『人とのつながり、社会参加』)、発音(滑舌)、握力、ふくらはぎ周囲長、手足の筋肉量などを測定し、フレイル状態が疑われる対象を探し出している。このフレイルが疑われる人の割合が、2020年には29.8%に上ることが分かった。前年より8.5ポイント増えた数値だ。豊島区の関係者は「コロナによる高齢者のフレイルが明らかに進行している」と語った。

 高齢者の認知能力の低下を懸念する声も上がっている。筑波大学の久野譜也教授の研究チームは昨年5月と11月に2度にわたり、60歳以上の高齢者を対象にアンケート調査を行った。その結果、「もの忘れがひどくなった」と答えた高齢者が半年の間に12.6%から27.1%と2倍以上増えた。「外出の機会が週に1回以下」と回答した高齢者の割合も、全ての年代で10ポイントほど増えた。研究チームは、高齢者が外に出て人と会うことができなくなったことで、高齢者の認知能力が急速に衰えている、と考えた。久野教授は「国や自治体は市民の外出を単純に抑制するのを越えて、運動・対話など社会活動を並行してできるような感染対策を考究すべき」と語った。

チェ・ウンギョン記者
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