しかし、産業別で景気回復のペースにばらつきがある「K字型回復」で内需関連業種の信用格付けが低下したケースが多かった。映画館チェーンCJ CGVの信用格付けは「シングルA」から「シングルAマイナス」に下方修正され、格付け見通しも「安定的」から「ネガティブ」に引き下げられた。大韓航空、アシアナ航空、ホテル新羅、メガボックス(映画館チェーン)、パラダイス(カジノ)なども格付けが引き下げられたか、格付け見通しが「ネガティブ」とされた。
■「投機的」に転落する企業、金融危機当時のレベルに増加
信用格付け対象1240社のうち、投機的格付けを受けた企業は195社(15.7%)に達した。世界的な金融危機直後の2010年(16.7%)以降で最高だ。投機的格付けになれば、金融機関が融資を拒んだり、高い金利を適用することになる。超低金利環境でどうにか持ちこたえてきた企業は金利上昇で経営が行き詰まりかねない。
韓国の信用格付け4社(韓国企業評価、韓国信用評価、ナイス信用評価、ソウル信用評価)が1-2年以内に信用格付けを変更すると見込んだ企業は195社だった。うち、格付け下方修正を見込む「ネガティブ」の企業は79.5%(155社)で前年よりも14.5ポイント増えた。
金融当局は同日、信用格付けが低下した企業の資金調達のため、社債、コマーシャルペーパー(CP)の支援要件を緩和するなどの支援策を打ち出した。金融研究院のク・ジョンハン上席研究委員は「経営が厳しい企業はコロナ発生前から増加傾向にあった。コロナの衝撃でその数がさらに増える可能性が高い。今からでも企業構造調整の推進対象企業を速やかに選び出す必要がある」と指摘した。