中国には低姿勢のアップル、顧客情報を丸ごと提供

 アップルは中国政府が嫌いそうなアプリを自主的に検閲、削除している。アップルは社内に組織をつくり、天安門事件、チベットの指導者ダライ・ラマなど中国政府が嫌う内容を含むアプリを事前に削除した。iPhoneに搭載された台湾国旗の絵文字も消した。また、中国出身の反体制実業家、郭文貴氏が中国共産党の腐敗疑惑を暴露するのに使ったアプリも禁止した。ニューヨーク・タイムズがアプリ関連のデータ企業センサータワーと共同で分析した結果、2017年以降にアップルのアップストアからアプリが削除されたケースは5万5000件余りに達した。

 アップルは他の地域では絶対にしない行動で中国の歓心を買おうと努力した。アップルが全世界で販売するiPhoneには「カリフォルニアのアップルが設計した(Designed by Apple in California)」という文言が書かれているが、中国のエンジニアとデザイナーが反発したため、中国国内で販売するiPhoneからこの文言を消し去ったという。アップルは中国当局の要請があれば、積極的に受け入れることにした。18年6月から20年6月までの2年間で中国政府の要請の91%を受け入れ、1217のアプリを削除した。他国政府による削除要請を受け入れた割合(40%)の2倍を超える。

 アップルの行為は他のIT企業と比較される。06年1月27日に中国でサービスを開始したグーグルは中国の検索結果検閲を拒否し、10年に事業を中止して撤退した。アマゾンウェブサービスも外国企業がクラウド施設を運営できないという中国の法律に従い、17年に一部資産を売却した。国際的な人権団体、アムネスティのニコラス・ベケリン東アジア・東南アジア地域事務所長はニューヨーク・タイムズに対し、「アップルは中国政府がコントロールする検閲機械の歯車になった」と批判した。

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シリコンバレー=キム・ソンミン特派員
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