【コラム】「異民族の皇帝」を持ち上げる中国の胸中

 中国が新疆ウイグル自治区や内モンゴル、チベットなど独立傾向が強い少数民族地域で押し付けている強圧政策のせいで国際社会から指弾されている昨今、中国当局が望む「少数民族のロールモデル」として孝文帝が1500年ぶりに「召喚」されたのではないだろうか。今回の行事は、隣接諸国の歴史と文化を自分たちのものにしようとする中国の「歴史工程」の一環ではないか-という疑念がある。

 韓国が、これを「他山の石」とすべき事情がある。韓国は5000年の歴史において中国の侵奪に耐え抜き、近代国家である大韓民国の樹立後は急速に経済発展と民主化を成し遂げた。だが中国は何としてでも韓国の歴史と文化を侵害しようとする歴史工程を継続している。「中国夢」を唱える習近平政権時代になって、そうした流れは一段と強まる様相を見せている。

 韓服やキムチを「自分たちの文化遺産」だと言い張る一部の中国人の強弁や、白頭山を「中国王朝の領土・長白山」に変えようとする最近の中国当局の動きがその代表的な例だ。いつ、いかなる方法で中国の歴史工程が試みられるのか、警戒を緩めてはならない。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者

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